素敵な人の装いや暮らしには、日々を輝かせるためのアイデアがぎゅっと詰まっています。自分も、そしてまわりにいる人たちさえも気持ちよく過ごせるヒントを得て、暮らしを快適にアップデートしませんか？今回は、服飾デザイナーの雪浦聖子さんに、ごきげんで過ごすために心と体を健やかに保つコツを伺いました。センスのよいインテリアや彩り豊かなおそうざいなど、見た目も素敵なヒントがいっぱいです！
教えてくれたのは……
雪浦聖子さん／sneeuw デザイナー
1978年生まれ。東京大学卒業後、住宅設備メーカーに勤務。その後ESMOD JAPANで服飾を学び、YEAH RIGHT!!のアシスタントを経て、2009年にsneeuwを立ち上げる。
週末には、リビングで最近買った本を読んだり、スクリーンを下ろして映画を楽しむことも。
心地よい環境を作ることで遊び心は生まれる
静かな一軒家、と思いきや、入ってみると愛嬌のあるコレクションが存在感を放つ、にぎにぎしい空間。
「10年前ブランドを始めた当時は、部屋にものは少ないほうがいいと思い込んでいたし、服も家も今よりシンプルでプレーンな雰囲気でした。それが年齢的なものなのか、だんだんと『そんなにカッコつけなくてもいいかな』と思うようになって（笑）」
ものを捨てるのがストレスなら捨てなくてもいいと、「ちょっとふざけたおもしろいもの」が雪浦家に集まりました。
好きなものと肩肘張らずに暮らす、満ち足りた雰囲気のある雪浦さん。フィジカルなことも大切にしています。休日は家を片付け、ヨガなどで体を整えて、人に会ったり展示に出かけ、作り置きなど次の週の準備をするという時間を習慣としてキープ。
「ヨガは心の整理にも役立ちます。展示を見に出かけると、自分ももっとできるはずと刺激をもらえますね」
整えることで見つかる、日常の小さな喜び。その暮らしぶりは、リラックス感と遊び心のあるスニュウのお洋服の魅力に、通じるようです。
《ヒント 1》飾ることで好きなものがいつもそばに
雑貨やフライヤー、ときには拾った石も。お気に入りは上手に飾っていつも身近に。“ちょっとおもしろい”ものを交ぜてくつろげる空間に。
食卓、キッチン……毎日過ごす場所に、楽しいコレクションを
雑多なものを収納している青い棚は「コンランショップ」で。台湾の100円ショップで見つけた飾りやフライヤーで、シンプルな家具たちに表情が。
窓辺にはプレゼントされたソルト&ペッパーや、西本良太さんの木工作品などが並びます。
テレビ台の下には、拾った石や北海道の木偶、セワポロロが。
旅先や雑貨屋さんで見つけた和物たち。「ちょっとあかぬけない表情のお土産も、飾ると楽しい（笑）。同じ質感のものをそろえるとまとまる気がします」
《ヒント 2》休日は好きな作品や知人に会いに
ルーティンを大切にしながら、人や作品から受けるパワーで刺激と活力を補充。装いもチェンジし、気分を高める休日。
冷蔵庫もアートが映える舞台
「主に絵の展示を見に行くことが多いです。いい作品を見ると刺激になります」。冷蔵庫には、気に入ったフライヤーなどを無造作に張って。
背筋の伸びる黒をお出かけ服に
トップスは「スポークンワーズプロジェクト」、スカートは「ユーモラフ」、バッグは「チャンスミ」。「展示を見に行くときは、お出かけ仕様の服で。年を重ねて、気負わずにモノトーンを着こなせるようになってきた気がします」
《ヒント 3》体づくりやバランスよい食生活をコツコツと
心にも効いている気がする、というヨガと作り置きが健康の要。野菜だけでなくタンパク質もしっかり摂り、しなやかに強く。
週1で18年続けているヨガへ
ヨガで血行がよくなり、頭もすっきり。「リラックスできて、考え事しているときにもいい。ヨガは家でもできるけれど、通うほうがいいですね。一人だと、動作が早くなったりしてしまうので」
休日にまとめて仕上げる作り置きで、平日も3食手作り
健康のために始めた作り置き。「休日に2時間くらいでささっと。彩りを意識すれば自然とバランスが取れる気がします。朝も食べるし、お弁当に入れたり、夕食にしたりと、平日はこれで助かります」
《ヒント 4》アトリエにはインコのフジちゃんが
アトリエを初めて借りたときに、寂しいかもと、先代を飼い始めたそう。フジちゃんが片隅にいるだけで、なぜか心癒されてしまいます。
フジちゃんの気配と、かわいいものに囲まれるアトリエ
人懐っこいフジちゃんは専用インスタグラムもあり人気者。「自分で『フジちゃん』としゃべるようになりました」。この日もスタッフの頭から頭に飛び移って愛嬌を振りまいていました。
明るい窓際がフジちゃんの特等席。お気に入りの片岡メリヤスさんのぬいぐるみ“タップダンサー”も。
「写真など好きなものを飾って気分を上げたい」とデスクまわりをデコレーション。「半年に一度の展示会のたびに飾りを変えていく予定です」
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※ クレジットのないアイテムはすべて本人私物です
photograph_Miho Kakuta
text_Miho Arima
edit_Ayaki Ando[vivace], FASHION BOX
（リンネル 2019年9月号）
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