(2020年4月17日 更新)
普段は意識しない呼吸には、実は血流アップ効果があり、大きく健康と関わっています。呼吸によって胸とおなかの間にある横隔膜が上下することで、おなかから心臓、心臓から肺、そして全身へと血液が巡っていくのです。
猫背な姿勢を続けていたり、高齢になると呼吸も浅くなりがちなので、しっかり呼吸するようにしましょう。
≪目次≫
教えてくれたのはこの方
静岡静脈瘤クリニック院長
佐野成一(さの・なりかず)先生
2003年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。2005年に東京慈恵会医科大学病院形成外科に入局し、2009年から岡山大学病院形成外科・リンパ浮腫治療班に加わる。2013年には東京医科歯科大学血管外科にてリンパ浮腫専門外来開設に尽力。2016年、地元である静岡に静岡静脈瘤クリニックを開業、リンパ浮腫と静脈瘤の専門医として治療に当たる。東京医科歯科大学血管外科・非常勤講師、リンパ浮腫療法士、日本医療リンパドレナージ協会認定セラピスト。監修書に『自分で治す下肢静脈瘤の本』 (宝島社) がある。
実は効果が高い、正しく深い呼吸による血流アップ
吸うときにおなかを大きく膨らませる腹式呼吸は、横隔膜の動きを大きくして効果を高めます。さらに腹式呼吸のときには、自律神経のうち、体を休息させる副交感神経が優位に。気持ちが焦っていたり不安なときも、腹式呼吸をするとリラックスできるのです。副交感神経が優位になると、免疫力も高まるので、呼吸を変えるだけで、健康になる効果があります。
ポイントはゆっくり落ち着いた呼吸です。早いペースで息を吸ったり吐いたりすると、酸素や二酸化炭素のバランスが崩れて苦しくなるので注意しましょう。
深呼吸のうれしい効果3つ
深呼吸の効果1. 自律神経が整う
腹式呼吸では息を吸うときに筋肉が緊張して、吐くときには弛緩します。特に息を吐くことを、ゆっくり深く行うことで、自律神経のバランスを整える効果が高まります。緊張しやすい人、寝つきが悪い人にもおすすめ。
深呼吸の効果2. 横隔膜の動きで血流アップ
息を吸うと、肺に空気が入って横隔膜が下がり、おなかが上から押されて膨らみます。このとき、血液は心臓のほうに流れます。息を吐くときは横隔膜が上がって肺が少し縮み、たまっていた血液は肺に向かって流れます。このポンプ作用によって、静脈の流れがよくなります。
深呼吸の効果3. 緊張がとれて痛みが緩和される
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)による足の痛みや不快感があったり、寝つきが悪くなっている人にも、腹式呼吸はおすすめ。痛みを感じたときには、ゆっくり腹式呼吸をしてみましょう。すぐに痛みが消えることはありませんが、習慣化することが大切です。
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(抜粋)
TJ MOOK『足のボコボコ血管・クモの巣状血管がすっきり! よくわかる下肢静脈瘤の本』
https://tkj.jp/book/?cd=TD295774
監修:佐野成一
編集:入江弘子
構成・文:田中絵真、前原雅子
イラスト:小野寺美恵
撮影:赤石 仁
モデル:松久准子(オスカープロモーション)
ヘアメイク:岩澤衣里(プラスナイン)
編集:FASHION BOX
(TJ MOOK『足のボコボコ血管・クモの巣状血管がすっきり! よくわかる下肢静脈瘤の本』)
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