「まだ親が元気だから……」と、つい先送りしたくなる相続の問題。けれど、正しい判断で準備をするためには、親が元気なうちに始めておくことが大切です。無用な争いを避けるために、今から準備を進めておきましょう。なぜ、今「相続」の準備が必要とされているのか、相続実務士の曽根恵子さんに聞きました。
教えてくれたのは……
相続実務士 曽根恵子さん
相続コーディネート業務を扱う「夢相続」代表取締役。テレビ、雑誌の取材や講演で活躍。『90分でわかる! はじめての相続』(クロスメディア・パブリッシング)など、著書多数。
高齢化社会&制度改正で注目度が高まる
2018年7月に、40年ぶりに相続に関する民法の改正が成立し、終活ブームとともに「相続」という言葉を耳にする機会が増えています。では、実際にはどれだけの人が相続の準備をしているのでしょうか?
「遺言書の作成などをしている方は、私が携わっている事例では1〜2割程度。財産が少ないから問題ないと考える人も多いですが、もめている方のほとんどは相続税がかからない、遺産総額が3600万円以下のご家庭です。準備を始めるように親をうながしたり、相続する立場でも知識を持っておくことが、先々のトラブルを回避する秘訣です」と、曽根さん。
「お金がないから投資で増やそう」は危険! 初心者が知るべき投資ルール4つ
もめる相手は実の兄弟姉妹絶縁状態になることも
家族間の争いの火種になりやすい相続の問題。財産の分け方についての話のはずが、話が進むにつれて長年のきょうだい間の不満や親からの扱いの違いなどが持ち出され、感情的な対立になりがちなのです。
また、子ども世代にはきょうだいが平等に相続するという考えが浸透してきていますが、親世代には昔ながらの家督相続の考えが残っているなど、世代間ギャップが原因になることも。
実際、相続でもめてしまう相手は7割近くが実の兄弟姉妹となっています。いったんもめてしまうと関係の修復は難しく、絶縁状態になることも珍しくありません。
年金はいくらもらえる?おすすめの投資は? 経済評論家に聞くお金Q&A
不動産の相続がもっとも難しい案件に
実は、財産が十分あれば分割しやすく意外に争いになりにくい傾向があります。逆に、自宅などの不動産しか財産がないといった場合には、分けにくいために争いが生じます。
たとえば、親の家に同居して面倒を見ていた長女が家を相続してそのまま住み続けたいと思ったとしても、遺言書に明記されていなければ、相続人全員の合意が必要です。
財産の大部分がその家の場合、家を売却して分けるか、不動産を共有とするかなどの方法がありますが、合意が得られず、何年もその不動産が故人の名義になってしまう場合もあります。親が元気なうちに財産の分け方を決めておくことが賢明です。
家族に対する考え方が変わってきた現代、もめごとは増える傾向にあります。争っている相手は7割近くが実のきょうだいというデータが。親子で争うのは全体の1割ほどで、親が両方亡くなる二次相続から、きょうだいの争いが表面化する傾向があります。
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
photograph_Shoko Matsuhashi
illustration_Minae Kato
text_Ema Tanaka
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]
(大人のおしゃれ手帖 2019年10月号)
【いま読まれている人気記事】
その兆候、ヤバいかも…日本人の4人に1人の命を奪う血管病のサイン
【心臓血管外科のスーパードクターが実践している秘密の健康法】マネできる5つの習慣
突然死のリスクを下げる! 医師に聞いた、血管力を高める食べ方
最悪の場合、死に至る! 血管病リスクを高める悪の5大要素
ウォーキングが肝だった! 血管がよろこぶ運動習慣
シングルも既婚者も貯蓄できる! お金が貯まる2つのワザ