健康効果は値段以上? 医師が1缶200円のさば缶につまった魅力を解説

健康効果は値段以上? 医師が1缶200円のさば缶につまった魅力を解説

超高齢社会・日本。長生きできるのはうれしいけれど、年齢を重ねると心配になるのが生活習慣病などの病気。将来、健康で長生きするためには、毎日の食事がとても大切です。近年、健康食材として注目を浴びている「さば缶」には、多くの健康効果があります。

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健康効果は値段以上? 医師が1缶200円のさば缶につまった魅力を解説
出典: FASHION BOX

医療監修
小田原 雅人 (おだわら・まさと)さん
東京医科大学
糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授

【Profile】
糖尿病、動脈硬化、代謝異常などの研究が専門。東京大学医学部卒業後、同大学附属病院助手、筑波大学臨床医学系内科、イギリス・オックスフォード大学医学部講師などを経て、現職に。テレビ番組への出演など多くのメディアでも活躍中。『やせるホルモン分泌! さば缶で健康になる!』(学研パブリッシング)、『水煮缶でラクにやせる&みるみる健康になる』(宝島社)などの監修や、『名医の言葉で病気を治す メタボリック症候群』(誠文堂新光社)など著書も多数。

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EPA、DHAが動脈硬化を抑制! 中性脂肪を下げる!

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さば缶でEPA、DHAを無駄なく摂取

さばには、EPA、DHAが豊富に含まれています。EPA、DHAには、さまざまな作用がありますが、特に注目したいのは、動脈硬化を抑制する、中性脂肪を下げるという効果。生活習慣病の予防に直結するともいえるこれらの効果により、さば缶は健康食として注目されるようになったのです。特に、うまく缶詰を利用することで、缶汁に含まれるEPA、DHAが無駄なく食べられる、酸化を防げるといったメリットもあります。

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1缶200円前後のさば缶で生活習慣病予防ができる!

EPAやDHAの動脈硬化を抑制する、中性脂肪を下げるという効果は、日本や欧米などで実施されている人を対象にした大規模臨床研究で確認されており、医学的な根拠のあるものとして発表されています。

医薬品としても使われており、日本では脂質異常症の治療薬として、EPA製剤とEPAとDHAが混ざった製剤の2種類が認可され、中性脂肪を下げる保険適用の薬として使用されています。また、EPA製剤は、足の動脈硬化症の治療薬としても認められています。

治療薬としても使用されるほど、EPAとDHAの効果は折り紙つき。生活習慣病に効果的なこれらの栄養素が、1缶200円前後の手頃なさば缶で摂れるのですから、毎日の食事にぜひ、取り入れたいもの。さば缶を食べる習慣をつけましょう。

【EPAとは?】
エイコサペンタエン酸の略。さば、さんま、ぶり、いわしなど青魚に多く含まれているオメガ3系の脂肪酸。人の体内ではほとんど作ることができないため、食事から摂る必要があります。動脈硬化の抑制や中性脂肪を下げる効果のほか、血液をサラサラにする、悪玉コレステロールを増やさないなど、さまざまな効果が期待されています。

【DHAとは?】
ドコサヘキサエン酸の略。EPAと同様にオメガ3系の脂肪酸で、さばやぶりなど青魚に多く含まれており、生活習慣病の予防などに効果的な栄養素のひとつです。脳や神経を構成する脂質でもあり、特に成長期の子どもにとって重要な栄養素といわれているほか、最近では認知症を予防する可能性も指摘され、研究が進められています。

GLP-1が血糖値を下げる! 肥満を防ぐ!

糖尿病の治療薬にも活用! 肥満を防ぐ“やせホルモン”

日本人は肥満じゃなくてもなりやすい国民病・糖尿病。糖尿病は、血糖値が高い状態が慢性化する病気ですが、この糖尿病に効果的だと考えられているのがGLP-1というホルモンです。

GLP-1は、血糖値を下げる唯一のホルモン、インスリンを分泌させるだけでなく、血糖値を上げるグルカゴンという物質が分泌されるのを抑えるため、血糖値を下げる、上げにくくするという効果があるのです。さらに、GLP-1には胃の動きを遅くする作用があるため、消化がゆっくりになり、食後血糖値が上がりにくくなるという効果もあります。そのため、このGLP-1は、最近では糖尿病の治療薬としても使われています。

また、GLP-1には、満腹であるというシグナルを脳に伝え、食欲を抑える効果もあるため、食べすぎを防いで肥満を予防する“やせホルモン”ともいわれています。

【GLP-1とは?】
グルカゴン様ペプチド-1の略。1980年代に解明された比較的新しい消化管ホルモンで、食べ物が小腸の下部(出口)に到達すると分泌されます。血糖値を下げる、上げにくくする効果があり、糖尿病の治療薬としても使われ、現在も研究が進むなかで、もっとも注目されるホルモンのひとつ。食欲抑制効果があることから“やせホルモン”とも。

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EPAとDHAがGLP-1の分泌を促す

GLP-1は、さば缶のEPA、DHAと関係があります。

GLP-1は、小腸の下部(出口付近)から大腸の上部(入り口付近)にかけて多く存在するL細胞という細胞から分泌されています。食べ物が小腸の下部に到達すると分泌されるのですが、さまざまな食材によってL細胞が刺激され、分泌されることがわかっています。その中でも顕著なのが、EPAとDHAだったのです。

さば缶でEPAやDHAを摂取すると、胃から腸へ運ばれ、小腸の下部に到達します。すると、L細胞の中にある受容体が反応し、GLP-1を分泌するのです。

GLP-1が血糖値を下げるホルモン、インスリンの分泌を促すことから、最近では糖尿病の治療薬としてGLP-1の注射が取り入れられています。ものを食べると、食道から胃、そして腸へと送りながら消化していきますが、胃から腸へ移動するスピードが速いと血糖値が急上昇しやすくなります。GLP-1は、インスリンの分泌を促すほか、この胃から腸へ移動するスピードを遅くする働きがあるため、血糖値の急上昇を防ぎ、糖尿病を予防。さらには糖尿病の治療薬として使われているのです。

また、GLP-1には食欲を抑える効果があります。小腸に食べ物が到達すると、GLP-1が分泌され、脳の食欲中枢に「満腹である」というシグナルを発信します。すると脳は「もう食べなくていい」と判断し、食欲を抑え、食べすぎを防ぐことができます。そのため、GLP-1の分泌が多いほどやせやすく、少ない人は太りやすいと考えられているのです。さば缶でEPAやDHAを積極的に摂ることは、GLP-1の分泌もよくし、血糖値の上昇を抑えるだけでなく、食欲も抑えてくれるのです。

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(抜粋)

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TJ MOOK『血圧・血糖値を正常化する最強救世主! さば缶たまねぎ』
監修:小田原雅人

構成・編集・原稿:小山暢子
撮影:深澤慎平
WEB編集:FASHION BOX
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