いよいよオリンピックイヤーに突入。日本中で運動熱が高まっています。『おしゃれ手帖』世代に必要なのは、アスリートのような激しいものではなく、あくまでも、体力の底上げ。健康でいるための体作りです。運動するとすぐに疲れてしまう、肩や腰が痛い。そんな大人の悩みを、体のくせや筋肉のアンバランスを整える「コンディショニング」で解消して、動ける体を作りましょう。今回は、不眠・更年期症状をやわらげるコンディショニングを紹介。日本コンディショニング協会会長の有吉与志恵先生にうかがいました。
ツラい肩こりがラクに! 仕事の合間にできる超簡単“コンディショニング”
疲れや不調の原因は、筋肉のアンバランス
疲れやすい、眠れない、肩こりや腰痛など、50代の不調は、筋肉のアンバランスが原因のことも多いとコンディショニングトレーナーの有吉与志恵先生は言います。
「50代は、長年積み重なった生活習慣や運動による筋肉や骨格のアンバランスが、痛みや不調となって表れやすい時期です」
いつも同じ側の脚を組む、同じ手でバッグを持つなど、日々の何気ない動作のくり返しや、ジョギングやダンスなどの運動によって生じた体のくせが、筋肉の状態を決めています。
「筋肉は、使いすぎても縮んで固くなるし、使わなさすぎても伸び切って動きにくくなり、姿勢や体調に反映されます」
健康長寿にはスクワット! 簡単なのに全身に効果的って嬉しすぎ!
「コンディショニング」で筋肉のアンバランスをリセット
「コンディショニング」は、筋肉のアンバランスをリセットして、本来のニュートラルな状態を取り戻し、正しく使えるように整えるメソッドです。
筋肉が整うと体調も整う! カラダを変える“コンディショニング”とは
まずは、現在の体を観察する「モニタリング」からスタート。
「粗探しではなく、あくまで観察。“私の体はゆがんでいる”とマイナスに捉えず、コンディショニングの前後でどう変わるか確かめるための、プラスの材料として捉えることが大切です」
2つの「コンディショニング」で体を元気に
ニットトップス¥10,000、ニットショーツ¥9,800、タンクトップ¥5,800、レギンス¥10,000/すべてヨギー・サンクチュアリ(ヨギー)
実践編では、「リセットコンディショニング」で、筋肉の弾力を取り戻し、骨格を整えます。
次に、リセットした体がアンバランスな状態に戻らないように、「アクティブコンディショニング」を行い、筋肉を正しく使える状態に再教育します。
「筋肉は、何歳になっても変化します。50代はまだまだ動ける年代ですから、コンディショニングで使えていない筋肉を使えるように整え、その人に合ったよい状態の体=グッドコンディションを手に入れましょう」
両ひざのスキ間が縮まった!? 読者が“コンディショニング”を体験!
筋肉を整える《リセットコンディショニング》
★行うときのポイント
■ 筋肉に意識を向けずに行いましょう。
■ 脱力して、小さく関節を動かします。
■ 固くなった筋肉は、手でさすり、筋肉を圧さえて動かします。
■ 最初は左右10回ずつ行い、体の変化を感じましょう。動きに慣れてきたら、体がリセットされて気持ちよいと感じる「自分の回数」を見つけましょう。
筋肉を正しく動かす《アクティブコンディショニング》
★行うときのポイント
■ 使う筋肉を意識しながら動かします。
■ 呼吸を意識して行います。息を吐きながら、体の軸を意識して動きます。
■ 正しいフォームで動きましょう。
■ 20回を1セットとして、1日に2~5セットを行います。回数をたくさん行うのが目的ではないので、正しいフォームで体を動かすことが大切です。
※《リセットコンディショニング》と《アクティブコンディショニング》は、セットで行うのが理想ですが、バラバラでもOK。
お尻の筋肉が腰痛予防のカギ!? プロに学ぶ骨盤まわりの“コンディショニング”
不眠・更年期症状をやわらげる《リセットコンディショニング》
:::背骨をリセットする:::
背骨まわりをリセットすることで、自律神経が整い、深い眠りにつくことができます。
【胸椎(きょうつい)クルクル立位】
▼横から見ると……
(1)膝を軽く曲げ、上体を倒して力を抜く。
(2)左右の手を交互に上げ下げして、背骨を中心に体を揺らす。
不眠に効く“養生”を専門家に聞いた! 眠れないときはスクワットがよい?
【胸椎クルクル】
あおむけで膝を三角に立て、首の下に丸めたタオルを入れる。両腕を上に上げて、左右の手を交互に上げ下げする。
ホットフラッシュに効くツボは? 自律神経を整えて、つらい更年期障害のほてり・のぼせを撃退!
不眠・更年期症状をやわらげる《アクティブコンディショニング》
:::深い呼吸をする:::
きちんと呼吸をすることで、体の内部にある深層筋に働きかけることができ、新しい酸素が脳に運ばれて体がリラックスします。
【アブブレス】
(1)あおむけで膝を三角に立て、首の下に丸めたタオルを入れる。手をウエストに当て、おなかを横に広げるイメージで息を吸う。
▼横から見ると……
(2)ハーと息を吐きながら、おなかをえぐるようなイメージで両手で圧を加え、息を70%くらい吐き切る。
(1)と(2)をくり返す。
40代前半でも“更年期”かも? チェック表で重症度をセルフ診断
監修
有吉与志恵 先生 プロフィール
コンディショニングトレーナー、一般社団法人日本コンディショニング協会会長
現役アスリートから高齢者まで幅広い層にセルフコンディショニングを指導。著書に『コンディショニングスタートブック』(学研プラス)他多数。
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
photograph_Aya Sunahara
styling_Sanae Kumazawa
hair & Make-up_Yoko Sasaura
model_Mayumi Hori
(大人のおしゃれ手帖 2020年2月号)
web edit_FASHION BOX, Satoko Ishikawa[vivace]
【いま読まれている人気記事】
布団は干さない! 家事プロが教えるラクでキレイな寝具ケア
<舌で今すぐ内臓の状態をチェック>色、苔の様子、歯形の有無で健康かどうかがわかる!
肩甲骨はがしとマッサージで肩こり解消! おすすめ足裏マッサージとストレッチ まとめ
“恥垢”って増えるの!? デリケートゾーンの正しい洗い方や“ながら膣トレ”を女医が解説!
混ぜてレンチン20秒! お手軽絶品たまごかけごはんの作り方
つっぱり棒は横に使うだけじゃないんです! この収納術が超使える