ヤマアラシのジレンマって何? 陥りがちな人の特徴から解決法まで

心理学用語にも使われている「ヤマアラシのジレンマ」をご存じですか? 私たちは、それぞれ異なった個性や価値観を持つ人が集まったコミュニティの中で生活しています。「ヤマアラシのジレンマ」とは、そんな人間関係の中で生じてしまう、苦しい感情のひとつのようです。この記事では、ヤマアラシのジレンマを徹底的に解説。恋愛でいうヤマアラシのジレンマの具体例や陥りやすい人の特徴、その解決法をご紹介します。
※本記事は『FASHION BOX』編集部員が自身の経験を踏まえて執筆しており、心理学の専門家による考察ではありません

≪目次≫
●「ヤマアラシのジレンマ」とは?
●恋愛でいう「ヤマアラシのジレンマ」の具体例
○具体例1:友達以上・恋人未満の関係
○具体例2:本音で話ができない
○具体例3:交際が長続きしない
○具体例4:マイナス思考で自分を責める
○具体例5:矛盾する気持ちと振る舞い
●「ヤマアラシのジレンマ」に陥りやすい人の特徴
○特徴1:負けず嫌い
○特徴2:いつもネガティブ
○特徴3:自信が持てない
○特徴4:心遣いや配慮に欠けた言動を繰り返す
○特徴5:過去の失恋を引きずっている
●もし「ヤマアラシのジレンマ」に陥ってしまったら試したい解決法
○解決法1:思い込みにとらわれない
○解決法2:気持ちを言葉で伝える
○解決法3:本音を語るのなら少しづつ
○解決法4:すべてを知ろうとしない
○解決法5:相手の価値観を認める
●距離感を怖がらない、それがヤマアラシのジレンマ克服法!

 

「ヤマアラシのジレンマ」とは?

みなさんは、ヤマアラシのジレンマという言葉を聞いたことがありますか? 動物のヤマアラシの特性を、人間関係にたとえたものです。実用日本語表現辞典(weblio)によれば、以下のように説明されています。

鋭い針毛を持つヤマアラシは、互いに寄り添い合おうとすると、自分の針毛で相手を傷つけてしまうため、近づけない、というジレンマ。ショーペンハウアーが寓話として用いた表現とされる。

※参照元:ヤマアラシのジレンマの意味や使い方 実用日本語表現辞典(weblio)

針毛に身を包むヤマアラシ同士が体を寄せ合えば、お互いの針毛で相手を傷つけてしまうことになります。このことから、人間関係においても、相手に近づきたいけど、傷つけてしまう・傷つけられる可能性があるから近づけないという悩みが生じたり、相手を傷つけない適度な距離感が大切であることなどをたとえた表現が、ヤマアラシのジレンマです。


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恋愛でいう「ヤマアラシのジレンマ」の具体例

恋愛でいう「ヤマアラシのジレンマ」の具体例
恋愛でいう「ヤマアラシのジレンマ」の具体例

ヤマアラシのジレンマは、人間関係の距離感をたとえるときなどに使われている言葉です。また、男女の距離感や恋人同士の関係性を表すときにもよく用いられています。それでは、恋愛でいうヤマアラシのジレンマとは、一体どういったものなのでしょう? いくつかの具体例をご紹介します。

具体例1:友達以上・恋人未満の関係

長い間、友達以上・恋人未満の関係が続く男女は、ヤマアラシのジレンマに陥っているかもしれません。本当は、お互いに惹かれ合ってるふたり。しかし、今の関係を壊すかもしれないという恐れから自分の本心を打ち明けることができないパターンです。

具体例2:本音で話ができない

自分が傷つきたくない、相手を傷つけたくないという思いから本音で話ができなくなる人がいます。恋人に対してもそのように接していると、ふたりの間に妙な距離感ができてしまい、お互いがさびしさや孤独、不安を感じてしまうことにもなりかねません。

具体例3:交際が長続きしない

交際が長続きしない人も、ヤマアラシのジレンマを抱えている可能性が高いようです。交際間もないのに恋人の短所ばかりが目につき、許すことも認めることもできません。自分の感情をうまくコントロールできず、相手に対する嫌悪感が言動や態度に表れると、恋愛関係を持続することが難しくなります。

具体例4:マイナス思考で自分を責める

マイナス思考の人は、常に恋人の顔色ばかりを伺っているかもしれません。自分が原因ではないのに、相手の機嫌が少しでも悪くなれば「自分のせいかも」と自分を責め、恋人との距離感をつかめなくなるようです。

具体例5:矛盾する気持ちと振る舞い

恋人とケンカをしたとき、心では許しているのに、言葉や態度で相手を拒絶することがあるかもしれません。また、「嫌われたくない」という思いから、好意を寄せる相手を避けてしまうこともあるでしょう。気持ちと振る舞いに生じる矛盾も、ヤマアラシのジレンマのひとつといえます。


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「ヤマアラシのジレンマ」に陥りやすい人の特徴

「ヤマアラシのジレンマ」に陥りやすい人の特徴
「ヤマアラシのジレンマ」に陥りやすい人の特徴

人間同士の微妙な距離感が生んでしまう、ヤマアラシのジレンマ。「〇〇すべき」「〇〇しなければならない」と思い込んでしまう人がヤマアラシのジレンマに陥りやすいともいわれているようです。筆者の知人のなかにも、そのような思い込みなどのために人との距離がうまくとれない人は数人おり、彼らにはいくつかの共通点があるように思います。ここからは、筆者が考えるヤマアラシのジレンマに陥りやすい人の具体的な特徴をご紹介していきます。

特徴1:負けず嫌い

プライドが高く負けず嫌いな人は、ヤマアラシのジレンマに陥りやすい傾向があります。勝ち負けにこだわるあまり、周囲に心を許そうとしません。誰に対しても自分が優位な立場でいないと不安になるため、いつも攻撃的。完璧主義者にもこのタイプが多いようです。

特徴2:いつもネガティブ

ヤマアラシのジレンマに陥りやすい人は、物事をポジティブに考えられません。最初から「ダメに決まっている」「どうせ無理だろう」といったように、いつもネガティブに考えるくせがついているため、人間関係の構築や恋愛などにも消極的になってしまいます。


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特徴3:自信が持てない

自分に自信が持てないため、その不安や恐れから本心を口にできない人もいるでしょう。空気を読むことばかりに気を取られ、相手や周囲を気遣ってばかり。他人の意見や提案を優先してしまうタイプもヤマアラシのジレンマに陥りやすい人の特徴といえるでしょう。

特徴4:心遣いや配慮に欠けた言動を繰り返す

社会性が乏しいため、周囲と何度もトラブルを起こす人がいるようです。誰かの誹謗中傷を平気で口にする、恋人の身体的な特徴を無神経に指摘する。このように心遣いや配慮に欠けた言動を繰り返す人も、相手との適切な距離感をつかめていないという点から、ヤマアラシのジレンマに陥りやすいタイプです。

特徴5:過去の失恋を引きずっている

過去に大きな失恋を経験した人も、ヤマアラシのジレンマに陥ることがあります。新しく好きな人、気になる人ができても、過去の苦い記憶から自分の心を閉ざしてしまい、恋愛や異性に対して勇気が持てず、臆病になってしまう人もいるでしょう。


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もし「ヤマアラシのジレンマ」に陥ってしまったら試したい解決法

もしもヤマアラシのジレンマに陥った場合、試してもらいたい解決法があります。相手との距離感も大切なのですが、それ以上に、自分の価値観を省みることや相手の気持ちを理解する姿勢がポイントになってくるようです。

解決法1:思い込みにとらわれない

「あの人なら大丈夫、許してくれる」「彼女から絶対に嫌われる」など、一方的な先入観や思い込みは、ヤマアラシのジレンマを悪化させるだけです。それらにとらわれず、状況や相手の気持ちを客観的な視点から見てみるといいでしょう。

解決法2:気持ちを言葉で伝える

自分の気持ちは言葉で伝えるようにしてください。相手との距離感がわからないとはいえ、「私の気持ちを察してほしい」などと人任せにしては、状況の好転は望めません。試行錯誤しながら自分が選んだ言葉を、自分の口から伝える努力が必要です。

解決法3:本音を語るのなら少しずつ

相手との距離を縮めたいという焦りから、自分の気持ちばかりを優先してしまうことがあります。しかし、そういうときこそ「急がば回れ」のことわざを思いだしてください。本音を語るのなら少しづつ、相手の気持ちも考えながらゆっくりと交流を深めていきましょう。

解決法4:すべてを知ろうとしない

たとえ恋人であっても、相手のすべてを知る必要はありません。すべてを知りたいという欲求は、ときに自分の言葉や態度を傲慢にさせ、相手を束縛してしまいます。「お互いに知らないことがあってもいい」という心の余裕や、それぞれが自由な時間を持つことが、ほどよい距離感を保ってくれるのです。

解決法5:相手の価値観を認める

人は、いろいろな価値観や世界観を持って生きているものです。話が合わない人、考え方が違う人との出会いも数多くあるでしょう。だからといって、相手を否定したり、避けたりするのではなく、相手の価値観を認め、「あなたも私も人それぞれ」と思うようにしましょう。


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距離感を怖がらない、それがヤマアラシのジレンマ克服法!

多少なりとも誰もが感じたことがあるヤマアラシのジレンマ。近くにいる大好きな相手を傷つけたり、遠すぎる距離感で自分がさびしい思いをしたり、人間関係の距離感の保ち方は非常に難しいものです。自分本位にならず、相手を尊重し、お互いに試行錯誤を繰り返しながらベストな人間関係を築けるように努めていきましょう。

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文・編集/FASHION BOX

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