病気になったらどうしよう、ウイルスに感染して重症化したらどうしよう。そんな不安に打ち勝つために、いまできることとは? それは免疫力を鍛えること。免疫力を司る「腸」を良好な環境に保つことの重要性をご紹介します。医師の星子尚美先生に教えていただきました。
≪目次≫
●比較してわかる! 腸内環境で、体がどう変わる?
○腸内環境GOOD
○腸内環境BAD
●だから今こそ腸活! 腸内環境改善で敵に負けない
●教えてくれたのは……星子尚美先生プロフィール
比較してわかる!
腸内環境で、体がどう変わる?
腸内環境が乱れると便秘になるだけではありません。腸の悪玉菌が優位の腸内は、健康を奪います。腸の中でどんなことが起きるのかご紹介します。
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腸内環境GOOD
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すべてのはじまりは
健康的な食事から
食品添加物や過度な薬の摂取を避け、食物繊維や乳酸菌、ビタミン・ミネラルなど、栄養のバランスのとれた食事をとる。
[年齢とともに善玉菌が減少]
加齢とともに悪玉菌が増加
生活習慣で正すことが重要
年齢とともに悪玉菌が増加し、善玉菌や日和見菌が減少していきます。50代で善玉菌が減少、60代以降はより腸内環境が不安定に。老化の一種ですが、なぜそのような減少が起きるかはまだ未解明。でも、食事などで意識的に整えれば、改善できることは確かです。
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バランスのよい食事は
善玉菌の大好物
野菜や果物、きのこ類など、善玉菌の好物を体内に入れることで、体に有益な物質を善玉菌がつくり出します。
いかに「日和見菌」を
味方につけるかが鍵
腸内には100兆個ともいわれる腸内細菌が存在しています。種類は大きく分けて「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の3種類。その理想的な比率は善玉菌が2に対して、悪玉菌が1。日和見菌は優勢なほうに加担するので、いかに善玉菌と悪玉菌の比率が逆転しないようにするかが大切。
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腸は体の玄関口
健康な腸が外敵を撃退する
ウイルスなどの外敵の侵入を防ぎながら、体に吸収すべきものは取り込む。いわば強靭な門番の役割を担っています。
体を守りながら、さらに
「幸せ」までもを司る
幸せを感じるときに分泌されるホルモンといえば「セロトニン」です。実はその約90%が腸管でつくられています。心の状態をも左右する腸。それがスムーズに機能するためには腸がきれいで健康でなければなりません。腸内環境がうつにも関係しているのはこのためです。
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腸内環境BAD
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パンやパスタなどカタカナ食と
動物性たんぱく質に要注意
パン、パスタ、ピザ、レトルトなどカタカナ食は添加物も多く含まれ要注意。動物性のたんぱく質も悪玉菌の好物です。
[体内で活性酸素が発生する原因]
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●悪玉菌が優位になる食事
●食品添加物・加工食品
●遺伝子組み換え食品
●農薬まみれの食品
●薬剤
●ストレス
●紫外線
●電磁波
●大気汚染
●飲酒・喫煙
●運動不足/過度の運動
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活性酸素が腸を弱らせ
さまざまな病気の引き金に
がんと活性酸素の関係はよく知られているところ。そして活性酸素の約90%は悪玉菌によって発生しています。偏った食事がいかに危険なことかがわかります。悪玉菌が優位になることで腸が弱り、活性酸素が充満。免疫力が落ちることはいうまでもありません。
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プチ不調は
腸からのSOSのサイン
便秘、下痢、肥満、食欲不振、生理痛、肌荒れ、むくみや冷え、腰痛・肩こり、不眠、うつやイライラも。調子の悪さは腸内環境の悪化から。それらが大病へと発展することも。
腸内が悲惨な
悪循環に陥ることも
悪玉菌は動物性たんぱく質を腐敗させ、悪臭を帯びた有毒物質をつくり出します。加えて悪玉菌自体が活性酸素を発生させ、細胞を傷つけ、さらにそんな悪玉菌を排除しようと免疫細胞が活性酸素を発生させます。腸内が悲惨な悪循環に陥ることに。
ウイルスや細菌が体内に侵入
重症化するか否かの鍵がここに
腸内環境が悪化することは、すなわち免疫力が低下することと同義。ウイルスや細菌を排除する門番である腸が弱ると、外敵が体内へ。重症化するか否かの違いはここにあります。
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【LET'S 腸活!】だから今こそ腸活!
腸内環境改善で敵に負けない
食事を見直して腸内環境をよくする
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善玉菌が優位になり、腸内が健康に。
それによって、免疫機能が活性化
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免疫機能がうまく働き、ウィルスや細菌に強くなる。
自然治癒力も高まる。
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さらに、活性酸素を抑制し、
大病(がんや動脈硬化などの生活習慣病)を防ぐことができる
教えてくれたのは……
【監修】
星子 尚美(ほしこ なおみ)先生
【プロフィール】
星子クリニック院長・医学博士。日本臨床抗老化医学会認定医。がんや生活習慣病などの難病患者の治療と予防医療を行う。著書に『「平熱37℃」で病気知らずの体をつくる』(幻冬舎)、『腸のことだけ考える』(ワニブックス)など。
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(大人のおしゃれ手帖 2020年7月号)
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