野菜や豆などの植物を発酵させた“植物性発酵食品”は、腸の大好物! 善玉菌を活性化して腸内環境を整えてくれる、そんなスゴイ食品とは……? 実は日本食ではおなじみのあの食品なんです。さらに、その効果をより一層高める食べ方とは?? 東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生にお話を伺いました。
≪目次≫
●ストレス軽減に免疫力アップ! 腸が喜ぶ“植物性発酵食品”
●今日から食べたい! “植物性発酵食品”
●教えてくれたのは……
ストレス軽減に免疫力アップ! 腸が喜ぶ“植物性発酵食品”
ぬか漬けやキムチなど微生物の力を利用した発酵漬け物には、たくさんの乳酸菌が含まれます。ビタミンB群や食物繊維も多く、善玉菌を活性化し腸内環境を改善。血糖値やコレステロール値の上昇も予防します。漬け物の乳酸菌は脳の興奮をしずめる脳内伝達物質「GABA」もつくります。GABAは快眠、ストレス軽減、免疫力向上に作用し、特定保健用食品にも使われています。
そして腸内環境を整える最強の発酵食品の納豆。納豆菌は生きて腸まで届き腸内フローラの活動力を高めます。加えて、納豆には幸福感や安心感をもたらす神経伝達物質「セロトニン」の材料になるトリプトファンが豊富です。ぜひ毎日1〜2パック食べて、おいしく腸を喜ばせてください。
今日から食べたい! “植物性発酵食品”
〈ぬか漬け〉酸味がポイント!
ぬか漬けは、漬ければ漬けるほど発酵し、乳酸菌が増えます。酸っぱい味はその印。シャキッとした浅漬けより、しんなりした古漬けのほうが健康効果が高くなります。
〈キムチ〉汁ごと食べよう!
乳酸菌はもちろん、食物繊維豊富なキムチ。加えて調味のにんにくは抗酸化力ナンバーワン。唐辛子やしょうがも、抗酸化力と体を温める食材。ぜひ汁ごと食べてください。
〈納豆〉食べるなら“夜”がオススメ
納豆のネバネバは善玉菌のエサとなる水溶性の食物繊維。豊富なビタミンB2は免疫を強化します。納豆は朝のイメージですが、夜食べると脳梗塞などの予防にもなります。
【オススメ記事】
<美腸を作る腸内環境を整える食事>ヨーグルト嫌いさんはぬか漬けを食べるべし!
【大腸活10か条 その1】 腸内環境の改善に! 今日からできる腸に良い生活習慣[医師監修]
【大腸活10か条 その2】 食べ物を味方に! “大腸活”5つのポイント[医師監修]
「こうじ納豆」って知ってる? 気になる効能・レシピをご紹介! 発酵食品で腸内環境を整えて、心も体も健康に
「免疫力アップ=美腸」! 『スッキリ』出演の野菜ソムリエプロAtsushiがコロナ禍にオススメの生活習慣とは?
教えてくれたのは……
東京医科歯科大学名誉教授
藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)先生
【Profile】
1939年、中国東北部(満州)に生まれる。東京医科歯科大学医学部卒業、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。医学博士。テキサス大学留学後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授などを経て、現在は東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年に寄生虫体内のアレルゲン発見で小泉賞を受賞。2000年にヒトATLウイルス伝染経路などで日本文化振興会社会文化賞および国際文化栄誉賞を受賞。主な著書に『「腸にいいこと」だけをやりなさい!』(毎日新聞出版)、『アレルギーの9割は腸で治る!』(だいわ文庫)、『一生病気にならない「腸健康法」』『図解 体がよみがえる「長寿食」』(ともに三笠書房)など多数。
(抜粋)
書籍『自力で免疫力を上げる腸の強化書 決定版』
著者:藤田紘一郎
編集:伊藤千恵美(銀河企画)、石上ゆかり(オフィスケイズ)
写真:向殿政高(optigraphic)
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集:FASHION BOX、株式会社エクスライト