イライラが長引いてしまうのは、多くは自分の考えグセが原因です。
よくない考え方に陥っていないか、セルフチェックを習慣化しましょう。
精神科医の水島広子先生に、イライラを健やかに鎮めるために心がけたいことを教えてもらいました。
●イライラを健やかに鎮めるために、心がけたい4つのこと
●ピンチ! イライラしそうなこんなとき、どうする!?
●教えてくれたのは……水島広子先生 Profile
イライラを健やかに鎮めるために、心がけたい4つのこと
[1] 自分が“困っている状態”であることを自覚する
「なんとなくイライラする」ではなく、「今、自分はこういう理由で“困っている”んだ」と分析し、自覚しましょう。たとえば「週末家族で出かけようとしていたのに、夫が用事を入れてしまった!」。これは、“予定が狂い困っている”ということ。もしかすると「相手が間違っているからイライラする」と思うことも、実は“自分が正しいと思うことが通らず困っている”という状況かも。
[2] 自虐的な思考を断ち切る
ささいなことでも、イライラし始めると頭から離れない人は、自虐思考に陥っていないか考えましょう。たとえば買い物に行って、エコバッグを忘れた場合。「うっかりしちゃった。買った袋は活用すればいいや」と思える人と、「バカな私。いつもこうして損をして……」と自虐思考が入る人では、イライラの長引き方が違います。イライラを呼ぶ自虐思考は、すぐにストップをかけて。
[3] こうある“べき”には個人差があることを理解する
こうある“べき”というのが強い人は、他人のちょっとしたルール違反に必要以上にイライラしたり、自分と違うやり方に敵意を燃やしがち。夫と自分で洗濯物の干し方が違っても、あなたのやり方がすべて正しいとは限らないし、それを人に押しつけることはできません。「これでOK」という内容には個人差があることを理解して、相手のやり方を認められるよう心がけましょう。
[4] 要求ではなく依頼をする
家族や恋人などごく親しい人であれば、あなたの気持ちを説明して相手の行動を変えることもできます。そのときに、「~してちょうだい」という要求ではなく、「自分はこう感じているから、~してくれるとうれしい」と、お願い目線で頼んでみること。相手はあなたのイライラの原因にまったく気づいておらず、そのとき初めて気づいて行動を変えてくれるかもしれません。
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ピンチ! イライラしそうなこんなとき、どうする!?
《SCENE 1》
家族が共有スペースを散らかし放題……
《A 1》
「綺麗にしていたい」「散らかっているほうが安心する」など、温度差が出がちな問題。自分の意見を押し通さず「ここまでなら受け入れる」と譲る気持ちを持ち、家族内であらかじめルールを決めましょう。散らかしがちな人は、ほかの場面でもおおらかであるなど、よい面にも目を向けて。
《SCENE 2》
電車で大きな声で話している人がいる
《A 2》
電車のマナーは守ってほしいものですが、注意もしにくいものです。嫌な気持ちになったら、車両を移動する・次の駅で降りるなど、自分のための解決法を考えましょう。また、大声で話している人は「話が聞こえづらく、大声でしゃべってしまう」など、事情がある場合も。
《SCENE 3》
レジに並ぼうとしたら割り込みをされた
《A 3》
わざとでなくても並んでいる列に割り込まれると、衝撃を受けるのは当然。だからといって、自分は「割り込もう」とは思わないはず。自分の「列にはきちんと並ぶ」という美意識を大切にして、気にしないのがいちばん。やさしく注意できればよいですが、怒って注意するとトラブルの元に。
《SCENE 4》
友人がSNSに自分の悪口を書いている
《A 4》
深く傷つき疑心暗鬼になりますが、ほかの人が同調しているとは限りませんし、そんな行動をとる人は、誰からも信用されてはいないはず。悪口を書かれていることには気づかない振りで、その人を“要注意人物”とカテゴライズ。距離をおいたり、グループから離れるのがベターです。
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教えてくれたのは……水島広子先生 Profile
精神科医。対人関係療法専門クリニック院長。衆議院議員として、児童虐待防止法改正などにも取り組む。『「つい感情的になってしまう」あなたへ』(河出書房新社)ほか、著書多数。
人の目を気にしてしまうあなたに……すぐに実践できる人の目を気にしない方法特集
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text_Ema Tanaka
(リンネル 2020年10月号)
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]