スキニーパンツがぱっつんぱっつん……。
短めのタイトスカートがこわくてはけない……。
洋服を選ぶとき、なんとなく、ゆったりとしたロングスカートやボトムパンツで脚を隠していませんか?
ダイエットをしても、上半身は痩せるのに下半身はなかなか痩せない、とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
もしかすると、その原因は脂肪や肥満ではなく、ほかにあるかもしれません。
そこで、今回は下半身太りを解消するために、おすすめの方法を薬剤師が解説します。
【脚痩せマッサージ】太もも痩せを目指す! 簡単なマッサージ方法
下半身太りは「水」が原因だった?
日本人に多い下半身太りの原因の多くは、「むくみ」だといわれています。
人間のからだのおよそ60%は水分でできています。そして本来、わたしたちのからだには、適度な水分量を保ち調節する機能が備わっています。
しかし、何らかの理由で水分調節の機能がはたらかなくなり、毛細血管から細胞の間に流れ出る水分が多くなったり、毛細血管やリンパ管へ吸収される水分が減ったりすることで、むくみが生じるのです。
むくみとは、体内の循環・排泄機能が低下し、皮膚の下(細胞間)に水分がたまっている状態をいいます。同じように太って見えても、脂肪とは性質が異なります。
むくみは太って見えるだけでなく、太りやすくもなります。
むくみがあると血液やリンパの流れが悪くなり、代謝が低下します。すると、水分や老廃物がたまって脂肪が落ちにくくなるため、脚が太くなりやすいのです。
脚のむくみは、冷えや運動不足、食生活の乱れなどが原因といわれています。
そこで次に、むくみを改善し、脚痩せに導く方法をご紹介します。
脚に滞った「水」を流す方法3選
下半身太りの原因となるむくみを解消するには、下半身に滞った水を流すことが重要です。
むくみは、マッサージだったり、歩き方だったり、普段の食事を意識するだけで改善されます。
それでは、以下に脚のむくみを解消する方法を3つご紹介します。
水を流して脚痩せ「リンパマッサージ」
リンパとは「リンパ液」「リンパ節」「リンパ管」の総称で、リンパ液は血液と同じように全身を巡る体液のひとつです。
リンパ液には、体内の老廃物の回収と運搬を行う“排泄機能”の役割があるため、これが滞ってしまうとむくみの原因となってしまいます。
そのため、むくみを解消するためにはリンパの流れをよくする「リンパマッサージ」がおすすめです。
とくに、脚痩せ効果を期待したい場合は、「ふくらはぎ」と「太もも」のリンパマッサージを行うとよいでしょう。
ポイントは、関節部分を押してリンパ液の流れを促してから、末端から心臓に向かって流すことです。
「ふくらはぎ」のリンパマッサージ
ふくらはぎは歩く・立つなど日常動作で使われる機会が非常に多いため、そのぶん疲労もたまりやすい部位です。疲労がたまると、リンパや血流が滞り、むくみやすくなります。
また、ふくらはぎの筋肉は、脚に流れた血液を重量に逆らって心臓に戻すポンプの役割を果たしています。
ふくらはぎの筋肉の伸び縮みがなんらかの理由でうまくいかなくなると、ふくらはぎで血液やリンパが停滞して足がむくみます。
滞っているリンパを流すためには、まず、くるぶしのまわりをこぶしでグリグリとさすります。つぎに、ふくらはぎをつかむようにして膝裏に向かって親指で押し流してみましょう。
「太もも」のリンパマッサージ
太ももは脂肪が多く、セルライトがつきやすい場所です。むくみを解消することで、セルライトを防ぐ効果があります。
太ももが太くなったり、セルライトができたりする原因は、太ももの内側にある内転筋(ないてんきん)が弱っているためだと考えられます。
弱った内転筋を補うために、太ももの外側の筋肉が張ります。さらに、骨や筋肉と癒着することでリンパの流れが悪くなるのです。
太もものマッサージでは、張った筋肉をゆるめ、骨や関節から引きはがしてからリンパを流します。まず膝上のたるみをよく揉みほぐしてから、脚の付け根を押します。膝から付け根に向かって押し流すとよいでしょう。
リンパマッサージは、入浴中やお風呂上りに行うと、より効果が現れやすいです。さらに、痛気持ちいいと感じる強さで行うと、効果がでやすくなるでしょう。むくみがあると痛みを感じやすいので、加減して行ってください。
脚のむくみが解消されると全身の代謝アップにもつながるため、一石二鳥です。リンパマッサージでほっそり美脚を目指しましょう。
常に意識! 脚痩せする「歩き方」
歩き方を意識するだけでも、足痩せ効果が期待できます。歩くときは、常に正しい姿勢を意識して歩きましょう。
正しい姿勢であるために、次の5つのポイントを押さえてください。
<歩き方のポイント>
・お尻を後ろに引く
・横から見て、骨盤から肩・耳を一直線にする
・腰が丸まらないように胸を張る
・顎を引き、視線は真っすぐよりやや上を見る
・着地はかかとから入る
また、地面を蹴るときは脚の指も使いましょう。指まで使うことで、安定感のある歩行ができるようになります。
歩幅は大きめを意識して歩きましょう。股関節から足を大きく動かして歩きます。1歩で1m進むくらいの歩幅が目安です。大きく動かすことにより、エネルギー消費量がアップするため、脂肪燃焼効果も高まります。
正しい歩き方では、脚痩せ効果が期待できるだけでなく、まっすぐ引き締まった美脚を目指せます。さらに、血液がスムーズに流れ、脚に疲労が溜まりにくくなる効果も期待できます。
食べ物で変わる! 「脚痩せ食材」
普段、口にする食べ物も、脚痩せに影響します。
「むくみ=余分な水分」ですが、だからと言って水分を控えればむくみを解消できるかというと、そうではありません。
また、水分を摂り過ぎたからといって、それが原因でむくむわけではありません。
むくみの主な原因は、水分量ではなく血液循環の不良。それを取り除かなければ、むくみは改善しません。
塩分や糖分は、摂りすぎると体内に水分をためこみやすくなり、むくみを引き起こして下半身太りに影響します。
そのため、味の濃い食べ物や甘い物をできるだけ控え、むくみを解消する食べ物を摂るとよいでしょう。
むくみを解消するには、普段の食材に「カリウム」と「食物繊維」を意識してとり入れるのがおすすめです。バナナや海藻、キノコや根菜などに多く含まれます。
「水」の巡りをよくする漢方薬でさらに脚痩せを目指す
むくみの予防法として、生活に漢方を取り入れてみるのはいかがでしょう。
また、お伝えした方法であまり脚痩せ効果がみられなかった方にも、漢方をおすすめします。
自然由来の漢方薬はからだの内側からはたらきかけ、むくみの解消・下半身太りの改善が期待できるだけでなく、太りにくい体質へ根本から導いてくれます。
漢方では、からだは「気」「血」「水」という3つの要素で成り立っていると考えられています。そのうち、水の巡りが悪くなるとむくみ、頭の重さ、からだが重いなどの症状が出てきます。
つまり、水の巡りをよくすることで、余分な水分を排泄し、太りにくく痩せやすい体質に改善できるということです。
下半身太りに漢方がおすすめな理由
むくみの多くは、病気ではない場合が多いでしょう。しかし、放っておくと脚が太くみえるだけでなく、冷え性になったり代謝が悪くなったりと、からだ全体にも悪影響を及ぼすことがあります。
漢方薬は、そんな「未病」の状態(病気になる前の状態)に、とくに有効な薬です。
また、「健康的な食事やマッサージを毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬なら、自分の症状や体質に合うものを毎日飲み続けるだけなので、気軽に継続できます。
お悩みの症状改善のため、生活に漢方医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<下半身太りにお悩みの方におすすめの漢方薬>
・防己黄耆湯(ぼういおうぎとう):汗かきで、疲れやすく、太りぎみの方に
水分循環を促し、余分な水を排泄させます。水太りの肥満症の方によく使用されます。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力虚弱で、月経不順や月経痛がある方に
血行をよくするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分をからだからとり除く効果があります。
・五苓散(ごれいさん):体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ない方に
からだのはたらきを高めて、余分な「水」をからだの外へ出すはたらきがあります。
このように、漢方薬は同じ下半身太りの悩みでも、その人の体質によって選ばれる薬の種類が変わってきます。つまり、効果が認められている漢方薬でも、その人に合っているか否かが重要なポイントなのです。
合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあるため、服用前に、漢方に詳しい医師や薬剤師等に相談するようにしましょう。
最近では、AIを活用して症状と体質に合った漢方薬をプロに選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」というサービスも登場しているので、利用してみるのもいいでしょう。スマホから専門家への個別相談を、気軽に申し込むことができますよ。
☆「あんしん漢方」はコチラ
むくみ解消で夏までにほっそり脚を目指そう
下半身太りの悩みの多くは「むくみ」が原因のため、体内の「水」を流すことで解消されます。また漢方の考え方では、「水」が滞りにくい体質を手に入れることができれば、下半身がむくみにくく、脚が太くなりにくい体質を目指せます。
下半身が太りにくい体質に改善し、隠す必要がない露出できる脚を、夏までに目指しましょう!
教えてくれたのは……あんしん漢方 白倉みか
【Profile】
薬剤師
横浜、都内で病院薬剤師として12年間勤務する。アロマテラピー検定一級。
仕事をしながら結婚、出産、育児といったライフイベントとの両立の大変さを体感する。
自らの経験から、現代の働く女性に寄り添う形で薬や医療の知識を一般にわかりやすく広めたいと考えている。
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