日々の暮らしを豊かにするには、キッチンの存在はとても大きいもの。暮らし上手さんの心地いいキッチンとは?今回は、写真家・石川奈都子さん宅のキッチンを拝見。古い長屋を少しずつ改装しながら、使いやすいキッチンを試行錯誤してきた石川さん。キッチンのリフォームへのこだわりを教えてもらいました。
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キッチンを見せてくれたのは……
写真家 石川奈都子さん
京都を拠点に活動する写真家として、本誌をはじめ、雑誌や書籍などで活躍。自宅を開放して行う暮らしのマルシェ「環の市」も主催。
家族や仲間が集いやすい縁側のようなスペースに
昔は職人さんたちが暮らしていたという古い長屋に暮らす石川さん。ご主人の坂井隆夫さんが建築士ということもあって、家族や暮らしのカタチに合わせた改装を少しずつ実現。もともと庭だった部分にキッチンを増築。ダイニング、お風呂とも緩やかにつながる空間。
3か月に1度のペースで暮らしのマーケットを開催。「毎回、前日に心を込めて大掃除します」
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お客さんを迎えるときに一番に目に入る奥の壁を、印象的なブルーに塗装。
わがままから生まれた壁面の棚、普段使いを厳選した食器棚
シンク前の壁面には、本来あるべき内板壁を省いて生まれた奥行き9.5センチの棚が3段。「私のわがままで残してもらったスペース。ちょっとしたものが置けるので、あるとないとでは大違いです」
「独身時代に集めた器類は整理しました。今は家族のための日常使いの器だけを、いつでも手が届くこの棚に」
ライフステージに合わせて変化し続けるキッチン
京友禅の職人の弟子から写真家に転身した20代、仕事に明け暮れた30代、そして40歳を目前に控えての結婚と出産。気づけば半生をこの京都の長屋で過ごしてきた石川奈都子さん。大阪の生家も昔ながらの商家だったから、もともと古い家に愛着があるのだと言います。
「独身時代にも友人たちの手を借りて小さな改装を重ねてきましたが、第二子が生まれるタイミングで、今のキッチンへの大がかりな改装に踏み切りました」
借家とは思えないほどの大改装。広さや明るさ、衛生面といった新しい家族のための配慮に加え、事務所として借りた隣家との動線も考慮し、小さな庭だったスペースに増築しました。
「たった数センチも惜しくて、わがままを言いました(笑)」
独身時代に集めた作家ものの器や、北欧アンティークの大きな食器棚などは、リフォームを機に、すっかり人に譲ることに。
「当初は大きな喪失感もありましたが、代わりに手に入れた家族との小さな暮らしが今は愛おしいです。厳選した暮らしまわりのモノやそういった価値観を仲間と共有したくて、住み開きのマーケットも始めたんです」
屋根は透明の波板で、昼には柔らかな日差しが注ぎます。家族も友だちも集いたくなる、縁側のようなキッチンです。
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→プロに学ぶキッチンのこだわり5つ
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photograph_Natsuko Ishikawa
text_Takahashi Maki
illustration_atelier PLAN
edit_Satoko Ishikawa[vivace], FASHION BOX
(大人のおしゃれ手帖 2019年6月号)
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