『ありがとうございます』というお礼の言葉。場面ごとに使い分け、丁寧な言葉を使ってお礼の気持ちを伝えたいものです。こんな丁寧な言葉遣いができたら、周りからもデキるって思われるかも!
教えてくれたのはこの方
吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
国語講師。大学受験塾やカルチャースクール、企業研修などで教える。NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」に出演するなど、日本語・言葉遣いにかかわる仕事多数。著書『正しい日本語の使い方』(枻出版社)は12万部を突破。他に『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)、『美しい女性をつくる言葉のお作法』(かんき出版)、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など。東京大学教養学部卒。
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お礼:先日お世話になった相手に改めてお礼を伝えたい
×:つい言ってしまう言い方
この間はどうも!
○:常識人とみられる言い方
先日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。
つい口にしてしまいがちな「この間」や「どうも」という表現は、目上の人や取引先の人への挨拶としてはくだけすぎた失礼な表現。カジュアルになりすぎないよう気を付けて、時間を割いてくれた相手への感謝の気持ちをしっかりと丁寧な言い方に込めよう。
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◎:一目置かれる、より丁寧な言い方
その節は大変お世話になりまして、ありがとうございました。
お礼の言葉は、①お世話になったその場で、②会った後、その日の夜にメールか手紙で、③次に会ったとき、の3回伝えるのがベスト。「さっき」「この間」といったカジュアルな表現は避けて、「先ほど」や、「先日」「その節」といった言葉を使いこなそう。
きちんとした言葉選びで、感謝の気持ちを。
お礼:目上の人や上司から褒められた!嬉しいけど……
×:つい言ってしまう言い方
いえいえ、そんなことないですよ!
○:常識人とみられる言い方
大変光栄です。どうもありがとうございました。
謙遜したつもりでも、相手が言ったことを否定するようにも聞こえかねないのが、「そんなことないですよ」という言葉だ。せっかく褒めてくれた相手の気持ちを否定するのは失礼なこと。素直に受け止めつつ、謙虚な言葉で感謝の気持ちを伝えよう。
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◎:一目置かれる、より丁寧な言い方
私のような者にはもったいないお言葉です。誠に恐れ入ります。
正直に感謝の気持ちを伝えることに抵抗がある場合は、「私にはもったいないお言葉」「過分なお褒めにあずかりまして」などと謙遜する言い回しを添えよう。感謝とともに賞賛されたときには、「○○冥利に尽きます」という言い回しもあるので、覚えておこう。
褒められたら否定せずに受け止めよう。
お礼:馴染みの取引先や上司からのアドバイスにお礼を言いたいとき
×:つい言ってしまう言い方
なるほど! とても参考になります!
○:常識人とみられる言い方
貴重なアドバイスをくださって感謝いたします。
アドバイスを吸収しようという思いから、「参考になります」と言ってしまいがち。しかし、実は上司・先輩の指導を評価する構図になってしまう言葉のため、お礼としてはふさわしくない言い回しだ。心遣いに感謝する表現を選ぼう。
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◎:一目置かれる、より丁寧な言い方
あたたかいご指導、恐れ入ります。早速、次のプレゼンで実践させていただきます。
助言や指導を受けたときは、「早速実践させていただきます」といった具体的行動を相手に伝えることによって、たくさんの謝辞を並べる以上に、感謝の気持ちを伝えることができる。「おかげさまでうまくいきました」など、事後報告もすると、さらに好印象だ。
目上の人を評価する言葉はNG!
(参考)
書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』
https://tkj.jp/book/?cd=TD296221
著者:吉田裕子
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
編集協力/小芝俊亮、細谷健次朗、山口紗英(株式会社G.B.)
執筆協力/龍田昇
イラスト/イラスト工房
デザイン/山口喜秀(Q.design)
DTP/ハタ・メディア工房株式会社
編集/FASHION BOX
(書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』)