やりすぎ糖質オフで悪玉菌が増える!正しい大腸ケアを医師が指南

全身の健康を支えているのは、実は「大腸」なんです。正しくケアして病気のリスクから守りましょう。大腸のケアについて、帝京平成大学の松井教授にうかがいました。

教わったのは……

出典: FASHION BOX

帝京平成大学 健康メディカル学部健康栄養学科
松井輝明教授
日本大学医学部卒業。医学博士。日本大学医学部附属板橋病院消化器外来医長、日本大学医学部准教授を経て現職。日本高齢消化器病学会理事、日本消化吸収学会理事など歴任。機能性食品の有効性、腸内細菌と疾患を専門に研究。

お話をうかがったのは……

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モデル
熊田マリエスターさん
ビューティ、ファッションのモデルとして多くの雑誌やCM、ショーで活躍中。

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今日から始められる「食習慣」で大腸ケア

日本人の大腸が危ぶまれています。食の欧米化や糖質オフなどのダイエットブームの影響で悪玉菌が優勢な腸内環境に陥っています。

食生活を見直して大腸の劣化を防ごう!
日本人の大腸がんの死亡率は、男性は3位、女性は1位です。約半世紀の間に男性は8倍、女性は6倍に増え、炎症性の腸疾患も増加しています。これは、主に近年の食の習慣の変化による「大腸劣化」が原因と考えられています。

大腸劣化の根本的な原因は短鎖脂肪酸が不足するため。短鎖脂肪酸は、大腸の粘膜を刺激して腸管の蠕(ぜん)動運動を促進し、バリアの働きをしています。そのため、不足すると、大腸のバリア機能が低下して、感染しやすくなったり、病気が治りにくくなったりするといわれています。

最近のブームである過剰な糖質オフやたんぱく質食は、ただでさえ足りない食物繊維のさらなる不足をまねき、悪玉菌のエサの供給ばかりが増えてしまいます。その結果腸内フローラが乱れ、善玉菌であるビフィズス菌が減り短鎖脂肪酸が作られなくなってくるのです。

これらのことから、日本人の大腸は劣化がすすんでいるといえますが、「劣化」は「老化」と違い、予防や改善ができます。今から食生活を見直し、短鎖脂肪酸を大量に作る食事に切り替えましょう。

▶「糖質オフ」は控えめにしましょう

糖質オフやロカボ食では、行き過ぎた炭水化物制限が問題に。炭水化物は糖と食物繊維なので穀物を抜くと極端な食物繊維不足をまねき、悪玉菌優勢の腸内環境に。たんぱく質食も過剰なたんぱく質摂取で、悪玉菌のエサが増え、悪玉菌が優勢になってしまいます。

「ダイエットのために主食を抜いている人も多いはず。食物繊維不足が心配ですね」(熊田)

▶大人世代にとって「食物繊維」は大切です

ダイエットを目的とした糖質オフもたんぱく質食も、やり過ぎると食物繊維が不足しがち。悪玉菌が優勢の腸内環境となり、全身の病気リスクが高まります。腸内環境を整えることが、ダイエットの必須条件であるはずなのに、これでは本末転倒です。

「食物繊維が不足すると悪玉菌が優勢になって腸内フローラが乱れるんですね!」(熊田)

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text_Mizuki Sakaguchi
illustration_Maiko Matsue

web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]
大人のおしゃれ手帖 2019年10月号

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