全身の健康を支えているのは、実は「大腸」なんです。正しくケアして病気のリスクから守りましょう。大腸について知っておきたいことを、帝京平成大学の松井教授にうかがいました。
教わったのは……
帝京平成大学 健康メディカル学部健康栄養学科
松井輝明教授
日本大学医学部卒業。医学博士。日本大学医学部附属板橋病院消化器外来医長、日本大学医学部准教授を経て現職。日本高齢消化器病学会理事、日本消化吸収学会理事など歴任。機能性食品の有効性、腸内細菌と疾患を専門に研究。
お話をうかがったのは……
モデル
熊田マリエスターさん
ビューティ、ファッションのモデルとして多くの雑誌やCM、ショーで活躍中。
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【LESSON 1】
そもそも、「大腸」はどこにあるのですか?
大腸は小腸から続く、一番奥にある消化管
大腸は消化管の一番奥にあり、小腸と肛門の間。食べたものが最後に通るところです。大腸は、小腸からぐるりと大きく時計回りにつながり、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸(直腸S状部、上部直腸、下部直腸)に分けられます。
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熊田 小腸の役割は、消化と栄養吸収ですよね?大腸は?
松井 大腸は水分やミネラルを吸収し、老廃物を便として排出します。
熊田 小腸とは役割が違うんですね。
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【LESSON 2】
「腸内細菌」と「腸内フローラ」の違いとは?
腸内フローラは多種多様な腸内細菌の集合体
小腸には100〜10万個/g、大腸には1000億個/g以上と、腸内細菌は主に大腸にあります。腸内細菌の重さの合計は、1.5〜2kgあるといわれ、もはやひとつの臓器と言ってよいでしょう。腸内には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」など数千種類以上、数百兆個以上の細菌が存在し、これらの細菌が腸内で群生し、顕微鏡で腸の中を覗くとまるで花畑のように見えることから、腸内フローラと呼ばれるようになりました。
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熊田 腸内フローラはどういう状態がいいのですか?
松井 多様性がありつつ、善玉菌優位のバランスが理想です。
熊田 食生活などで善玉菌を増やすよう心がけますね。
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【LESSON 3】
実は病気になりやすいのが「大腸」です
大腸を健やかに保つには腸内フローラを整えて
大腸は老廃物などが溜まりやすく、有害な毒素も発生しがち。そのため、炎症が起きやすく、大腸炎、クローン病、大腸がん、過敏性腸症候群、大腸ポリープ、大腸憩室症をはじめとする病気になりやすい臓器です。
しかも、大腸で発生した毒素が血流に乗って全身へ広がってしまい、消化器系や神経系、免疫系などの全身のトラブルを招きます。そのため、大腸が不健康だと、肥満やアレルギー、大腸がんや肝臓がん、糖尿病や心疾患、感染症などの全身の病気リスクが高まります。
炎症を起こす原因となっている悪玉菌をやっつけるのが善玉菌です。代表的な大腸の善玉菌がビフィズス菌なので、ビフィズス菌は腸内フローラのバランスを良好に保つ大切な役割を果たしているといえます。
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熊田 大腸が全身の病気にかかわっているんですか?
松井 毒素が全身に広がるため、全身の病気にかかわります。
熊田 大腸をケアすることが健康の近道ですね。
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text_Mizuki Sakaguchi
illustration_Maiko Matsue
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]
(大人のおしゃれ手帖 2019年10月号)
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