GLOW創刊9周年記念のスペシャル企画として、「エイジンググレイスフリー」を体現していると思う素敵な女性に、その生き方のコツをお聞きしました。力まない自然体な雰囲気の中に、優雅さや凛とした品性を感じるのはどうしてなんでしょう?そのヒントになるようなことを見つけることができました。
“自己満足”を追求して見えてくる、幸せの形もあるはず
《映画監督》タナダユキさん
【プロフィール】1975年、福岡県生まれ。おもな監督作に『百万年と苦虫女』『四十九日のレシピ』などがある。原作、脚本、監督を務めた『ロマンスドール』は1月24日より全国ロードショー。
年齢を重ねることで少しずつ広がっていく選択肢の幅
二十代半ばで発表した作品が脚光を浴びて以来、様々なジャンルを手がけてきたタナダユキ監督。自身の小説を映画化した『ロマンスドール』では、嘘と秘密を抱えた夫婦の物語を描き出した。
「私は結婚していませんが、脛に傷を持つ身になった今の年齢だからこそ描けるものもあるんだな、と感じています(笑)。そういう意味では年齢を重ねることを楽しんでいると言えるかもしれません。夫婦やパートナーとの関係には本当に人それぞれのケースがあるから、自分なりの正解や解決策を探っていくしかない。人との関係性に、答えがあるのかどうかもわかりませんよね。でもこの映画が相手のことや自分のことを考えるきっかけになったら嬉しいです」
監督のポジションについて、「中間管理職のようなもの」だと語る。
「監督はすごい権限を持っていると思われることもありますが、そんなことはないんです。スタッフ間の橋渡し的な役割を担うこともありますし、やりたいことをやるために取捨選択をする必要もあります。経験を重ねるうちに、選択肢の幅がちょっと広がったり、自分が対処することと任せるところの線引きができるようになったり。以前よりも現場での居ずまいは楽になりました」
他者の評価や価値観ではなく自分発信を大切に
トップス、スカート(ともに08sircus)ピアス(OTOE)
年齢と経験を重ねるうちに、自分にとっての幸福の基準や形もクリアになってきた。監督にとってのキーワードは「自己満足」。
「誰かが決めた価値観だけに翻弄されていると、幸せを感じづらいのではないかと思います。私自身、誰かの基準に惑わされることもありますが、人生の最後には誰かの満足のためではなく自己満足で死んでいきたい。もちろんなるべく人に迷惑はかけずに、というのは大前提です。人から“幸せそうでいいね”と言われても自分が満足していなければ意味がないし、まわりから“ひとりで孤独そうだね”と言われても本人が幸せなら、それでいい。私たちの世代は自分も含めて自己肯定感があまり高くない人が多いような気がしますが、同世代の女性を見ているとすごく思うんです。私たち、十分頑張っているよね、って。あまり自分にダメ出しをせず、自分発信の幸せを追求できたら。そして究極的には健康第一、ですね(笑)」
MOVIE『ロマンスドール』
©2019 「ロマンスドール」製作委員会
監督:タナダユキ 出演:高橋一生、蒼井優 ほか
美人で気立てのいい園子に一目惚れして結婚した哲雄が、彼女にずっと隠し続けている仕事、それはラブドール職人としてドールを作っていること。平穏に過ぎていく日常の中、哲雄は仕事にのめり込み――。
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
撮影_有馬秀星[MOUSTACHE]
スタイリング_宮本茉莉
ヘアメイク_岩本みちる
取材・文_細谷美香
web編_FASHION BOX、安部麻井子[vivace]
(GLOW 2019年12月号)
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