美容と健康のために腸を元気に保つ「腸活」で今、特に注目されているのが大腸をケアすること。いつまでも若々しく健康でいるために心がけたい習慣です。帝京平成大学の松井輝明教授にお話を伺いました。
≪目次≫
●50代の健康美は大腸で作られる! “補菌+育菌”で美腸活習慣
○食のトレンドも大腸劣化を加速!?
○大腸が劣化するとなにが起こる?
○腸内細菌が作りだす「短鎖脂肪酸」が腸活のカギ
●教えてくれたのは……
[医師監修] 大腸の劣化度をチェック! 腸活で大腸ケアがマストな理由とは
50代の健康美は大腸で作られる!
“補菌+育菌”で美腸活習慣
◆食のトレンドも大腸劣化を加速!?
炭水化物抜きダイエットも、腸内環境の悪化の要因のひとつに
大腸の劣化をさらに加速させているのが、ますます進む食の欧米化や最近の食に関するブーム。
「特に、近年ダイエット法として定番化している、ローカーボ食(低炭水化物食)、たんぱく質ブームには注意すべき点があります。まず、炭水化物には、善玉菌のエサになり、腸活に必要な多くの食物繊維が含まれていますが、炭水化物を抜いて糖質を厳しく制限すると、ただでさえ不足気味の食物繊維がますます不足してしまうのです。
また、たんぱく質の摂取量を極端に増やすと、悪玉菌優勢を招いてしまう可能性が。そして、高脂肪食を多く摂ることになる食の欧米化も悪玉菌が増える原因につながります」と松井先生。
いずれも、食生活の偏りにつながるような、極端なやり方は控えて、バランスを考えながら行うことが大切です。
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◆大腸が劣化するとなにが起こる?
女性のがんで死亡率が高い大腸がん。美容面への影響も
日本女性のがんの死亡率が年々上昇し、1位なのが大腸がん。その他、潰瘍性大腸炎、クローン病など大腸劣化が原因と思われる病気も年々増えています。
また、大腸の劣化により、善玉菌から産生される短鎖脂肪酸の減少が、肥満や生活習慣病につながっていたり、腸内環境の悪化による便秘で、乾燥やにきびなどの肌トラブルが多くなることも報告されています。
「近年では、認知症やうつといった脳や神経系、風邪やインフルエンザ、花粉症といった免疫系など、全身の健康に影響を与えることがわかってきています。かつては便を作るだけの器官だと思われていた大腸ですが、腸内フローラの実態や機能も解明が飛躍的に進んでいるのです」
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◆腸内細菌が作りだす「短鎖脂肪酸」が腸活のカギ
腸の健康を守るほかに、脂肪の蓄積をおさえる物質
腸活で近年注目を集めているキーワードが、短鎖脂肪酸。短鎖脂肪酸は、大腸内の酪酸菌やビフィズス菌が水溶性食物繊維をエサにしたときに産出される成分で、腸管のエネルギーとなって大腸のぜん動運動を促したり、免疫力を高める働きが。
さらに注目なのは、脂肪を燃焼させたり、余分な脂肪の蓄積を抑える、つまり、ダイエットに有効な物質ということ。年齢とともに太りやすくなるのは、腸内環境が変化して、短鎖脂肪酸が十分生み出せなくなるのが一因。酪酸菌やビフィズス菌、食物繊維を摂り、短鎖脂肪酸を生み出すのが最新の腸活です。
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教えてくれたのは……
帝京平成大学 松井輝明教授
【プロフィール】
医学博士、日本大学医学部卒業。日本大学医学部准教授を経て、帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授。消化器一般、機能性食品の臨床応用を専門に研究。著書に『大腸活のすすめ~腸は自分で変えられる~』(朝日新聞出版)。
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illustration_Yumi Miyashita
text_Ema Tanaka
(大人のおしゃれ手帖 2020年3月号)
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]
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