「防災食は非常時だけ食べるもの」「おいしくない」と思っていませんか。そんな固定観念を覆す、“普段から食べられるおいしい防災食”を紹介します。管理栄養士、防災士、災害食専門員の今泉マユ子さんに教えていただきました。
《目次》●ライフラインが使えない災害時の調理法
●時短! 簡単! 省エネ! お湯ポチャレシピ(R)
○高野豆腐の麻婆豆腐
○オムレツ
○プリン
●教えてくれたのは……今泉マユ子さん プロフィール
ライフラインが使えない災害時の調理法
災害時は水もガスも電気も、すべてが貴重。食器などを洗う水も限られています。最小限の水やガスで調理する方法を紹介します。
■使う道具
【ポリ袋】
お湯ポチャに使う場合は「高密度ポリエチレン」と書かれた半透明タイプを。高密度でなければ二重にして。透明のポリ袋は熱に弱く、破れてしまうことも。
【ガスコンロ】
ボンベ式のガスコンロは大活躍。災害時、ガスは1日1本くらい使うと考えて備蓄を。
***お湯ポチャ***
災害時、温かいものを食べるとホッとするもの。お米の炊き方を例に、やり方をマスターして。
《1》材料を袋に入れて縛る
無洗米1合と水200mLをポリ袋に入れ、袋が水に浮かないように、空気を抜きながらねじり上げ、袋の上のほうを結ぶ。
《2》袋を鍋に入れ、火にかける
鍋の約1/3まで水を入れる。鍋底に袋がつくと破けることがあるため、皿を敷き《1》を入れる。ふたをして火にかけ、沸騰したら中火で20分間加熱。火を止めてふたをしたまま10分間蒸らす。
※一緒に味噌汁やオムレツなどの袋を入れると、1食分が同時に料理できる。
《3》できあがり!
災害時は、結び目を切ってそのまま皿にかぶせれば、皿洗いが不要。
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時短! 簡単! 省エネ!
お湯ポチャレシピ(R)
「お湯ポチャレシピ」は、驚くほど簡単な手順で温かい料理が作れる魔法のレシピです。作り方は、材料をすべてポリ袋に入れてゆでるだけ。複数同時にお湯ポチャする場合は、時間差で入れても、長い加熱時間に合わせてもOK。
崩れないから箸でも食べられる
高野豆腐の麻婆豆腐
材料〔3人分〕
一口高野豆腐……小18個(53g)
レトルト麻婆豆腐の素……1袋(3人分用)
(トロミが別添えタイプのものはすべて入れてください)
水……1カップ(200mL)
火加減
沸騰してから10分、蒸らし5分。
独特の形もまた愛らしい
オムレツ
材料〔1人分〕
卵……2個
青のり……小さじ1
塩……ひとつまみ
火加減
沸騰してから10分、蒸らし5分。
災害時でもデザートが楽しめる!?
プリン
材料〔1人分〕
卵……1個
牛乳……100mL
砂糖……20g(甘めが好きな人は25g。5g入りのスティック砂糖などだと、災害時も計量せずにわかる)
火加減
沸騰してから10分、蒸らし5分。
火が通ったら、袋からスプーンなどで盛り付けを。温かいままでも食べられるが、平常時は30分程度冷やし、ホイップクリームやカットフルーツなどを盛り付けると、よりおいしくいただける。
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教えてくれたのは……
今泉マユ子さん プロフィール
管理栄養士、防災士、災害食専門員。防災食アドバイザーとして講演や講座を行い、テレビ、ラジオなど各メディアで活躍中。著書に『災害時でもおいしく食べたい! 簡単「みそ汁」&「スープ」レシピ もしもごはん2』(清流出版)ほか多数。
※「お湯ポチャレシピ(R)」はオフィスRMの登録商標です
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photograph_Junichi Harano
text_Keiko Nakayama
(大人のおしゃれ手帖 2020年8月号)
web edit_FASHION BOX, AYAKI ANDO[vivace]