《麻生久美子》今こそ、ドラマなワンピースが着たい！
眠っていたおしゃれの感覚を呼び覚ます、ドラマチックで可憐なワンピースたち。袖を通すたびに心が躍る瞬間を、麻生久美子さんが魅せてくれます。インタビューでは4月からスタートするドラマ「あのときキスしておけば……」のことや、コメディを演じる上で大切にしていることなどを語ってくれました。
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この春は、黒髪に合うコーデを研究したいです
ほのかな光沢感のあるネイビーのワンピースで、カメラの前に立った麻生久美子さん。その凜とした美しさに、スタッフからも思わず歓声が。いつもと少し雰囲気が違って見えるのは、数日前に髪を黒くしたことが理由のよう。
「作品のために、久しぶりに黒髪にしたんですけど、まだ自分でも慣れません（笑）。普段は黒い服が多いので、髪まで暗い色だと重くなっちゃうかなあ……と心配していたんですけど、今日の撮影でみんなに“黒髪はおしゃれ”と言ってもらったのでひと安心。これから黒髪に合うコーディネートを研究したいです。最近はおしゃれをして出かける機会が減っているけど、暖かくなる頃にはもうちょっと出歩けるようになるといいですね。そうなったら、張り切って春の服を買いに行きたいです」
この日のテーマは、ドラマチックな印象のワンピース。プライベートでもワンピースが好きという麻生さんですが、最近はワードローブに変化も。
「少し前から、たまには年齢にふさわしい、大人の女性っぽい格好をしなきゃと思って。今まではオーバーサイズの服が多かったけど、細身のカットソーやパンツも着るようになりました。子どもの学校行事のときは、『うわあ！ 大人っぽ〜い』なんて言いながら、普段と違う自分を楽しんでいます（笑）。今日の私服も黒の細いパンツですけど、意外と何にでも合って便利なんですよね。色は相変わらず、白、黒、グレーが中心。きれいな色の服を着ている人を見ると素敵だなあ……と思うんですけど、やっぱり落ち着くのはいつもの色なんです」
昨年に続いて、生活を見直して、新しい習慣を取り入れる人が多い今。 “ニューノーマル”として麻生さんが取り入れたもののひとつがファスティングだそう。
「体質にもよるだろうから、みんなにおすすめはできないですけど。私には合っているようで、不調が解消したので、定期的にやりたいですね。でも、やっぱりおなかがすくのは辛い！ 自分は食べなくても、家族のごはんはつくらないといけないですしね。ファスティングの間はスマホで食べものの検索ばかりしてました（笑）」
4月からは、連続ドラマ「あのときキスしておけば……」がスタート。麻生さんが演じるのは、大ヒット漫画家の唯月巴。松坂桃李さん演じる桃地のぞむと“友達以上、恋人未満”の関係を楽しんでいたものの、突然の飛行機事故で帰らぬ人に……と思いきや、隣に座っていた中年男性に魂だけが乗り移ってしまうというラブコメディです。
「物語が始まって、早々に亡くなってしまった唯月がどんな形で登場するのか……。私自身も楽しみです。それに松坂桃李さん、井浦新さんがコメディというのも意外だし、個人的にも気になる！ きっとその二人のやりとりを見ているだけで楽しめると思います」
今作を「おっさんずラブ」と同じプロデューサーが手がけるとあって、同ドラマもチェックしたという麻生さん。
「遅ればせながら見たんですけど、すっっごいおもしろかった！ なかでも吉田鋼太郎さんがかわいくて。これから吉田さんを見る目が変わっちゃいそうです（笑）」
コメディエンヌとしても評価の高い麻生さんですが、意外にも「コメディは嫌いじゃないですけど、自信がないんです」と話します。
「『時効警察』のような世界観の作品だと、思いっきり振り切った演技をしても浮かないけれど、今回はどこまでやればいいのか……。やりすぎてもつまらないだろうし、引き算が求められるのかな、と想像しています」
そんな麻生さんが、コメディに取り組む際に大切にしているのは、「真剣さ」。
「中途半端にやってもおもしろくないだろうから、とにかく真剣に演じること。私自身がおもしろいだろうと思って演じるのは、違うような気がしています。ただ、真剣さと同時にテンションを上げる必要もあるんですよね。最近、ある作品でテンションを高くしたら、すっごく疲れて……。年だなぁって（笑）。どんなに台詞が多いシーンよりも、エネルギーがいるんですよね」
そうしたコメディとの向き合い方は、コメディエンヌとしての才能を開花させた「時効警察」で教わったこと。
「相手の台詞や表情を細かく拾って、毎回ちゃんとリアクションするように、と鍛えられました。そのためには、注意深く周りを見て、聞いていないといけない。すごく集中力が必要なので、終わるとどっと疲れるんですよね。でもそのときの経験が、その後の作品にも活きていると思います」
昨年はドラマ「MIU404」のヒットも記憶に新しいところ。シリアスからコメディまで、幅広い役柄への挑戦が続いています。
「あえて選んでいるというより、運よくそうなってるだけかも（笑）。でも私自身もテイストが違うほうが演じていて楽しいし、勉強になります。子育てもあるのに大変じゃない？と言われることもあるけど、楽しみに待ってくれる方がいる限りはがんばりたい。仕事を続けることで、社会とつながっているな、と実感できますから」
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麻生久美子さん出演ドラマ 「あのときキスしておけば……」
スーパーの青果売り場で働く、不器用だけどやさしい桃地のぞむ（松坂桃李）は、憧れの人気漫画家・唯月巴（麻生久美子）と出会う。人柄を買われて家事を手伝っているうち、二人は友達以上、恋人未満の関係に。しかし突然、唯月は事故で帰らぬ人に。涙にくれる桃地のもとに、唯月と魂が入れ替わったと話す一人の中年男性（井浦新）が現れ……。
金曜23時15分〜・テレビ朝日系で4月よりスタート。
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PROFILE／麻生久美子（あそう・くみこ）
1978年生まれ、千葉県出身。1995年、映画デビュー。1998年、映画『カンゾー先生』の演技が高く評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。近年の出演作にドラマ「時効警察はじめました」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」「MIU404」「松尾スズキと30分の女優」、映画『散り椿』『音量を上げろタコ！ なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』『翔んで埼玉』『バースデー・ワンダーランド』（声の出演）、舞台「キレイ―神様と待ち合わせした女―」など。はじめてコントに挑戦した「松尾スズキと30分の女優」がWOWOWにて3月28日に放送された。
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photograph：Chiemi Nakajima
styling：Setsuko Todoroki
hair ＆ make-up：Yumi Narai
text：Hanae Kudo
（リンネル 2021年5月号）
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web edit：FASHION BOX
