私たちのお腹の中についてしまう脂肪は内臓脂肪と呼ばれています。内臓脂肪を放置すると、動脈硬化が進行してしまい、体に様々な影響を及ぼす可能性があります。栗原毅先生が動脈硬化について詳しく教えてくださいました。動脈硬化を早期発見できるように、自分の体の変化に気づいてあげられるようになりましょう。
教えてくれたのはこの方
栗原 毅(くりはら たけし)
1951年新潟県生まれ。医学博士。北里大学医学部卒業。栗原クリニック東京・日本橋院長。前慶應義塾大学特任教授、前東京女子医科大学教授。主な著書・監修書に『誰でもスグできる! みるみるコレステロールと中性脂肪を下げる200%の基本ワザ』『誰でもスグできる! 肝機能をみるみる高める200%の基本ワザ』(ともに日東書院本社)、『血液サラサラで美人になる!』(マガジンハウス)、『糖尿病の食事はここだけ変えれば簡単にヘモグロビンA1cが下がる』『〈卵と肉〉が糖尿病に効く!』(ともに主婦の友社)、『1日25gのチョコが効く! 脂肪肝はちょっとしたコツでラクラク解消する』『“糖質ちょいオフ”で今すぐできる! 中性脂肪を自力でみるみる下げるコツ』(ともに河出書房新社)、『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(宝島社)など。
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動脈硬化はどんな症状?
動脈硬化とは、血管が傷つき、傷に脂質などが入り込み、こぶ(プラーク)ができてしまうこと。こぶのせいで血流が悪くなり、血管が硬くなるため「動脈硬化」といいます。進行すると、血流によってこぶが破裂し、それを修復しようとして、血管内に血栓ができます。さらに血流が悪い状態が続くと血栓がはがれ、血管をつまらせ、その影響で血管が破れてしまいます。動脈硬化は、様々な病を引き起こします。
最も危険にさらされるのは脳の血管で、寝たきりの要因第一位の「脳卒中(のうそっちゅう)」に。
動脈硬化が引き起こす病
1. 脳の病
・脳梗塞(のうこうそく)
脳内の血管に血栓がつまり、脳への血流が途絶えて、脳細胞が損傷する。
・脳出血
脳内の血管が破れて出血し、脳細胞が損傷する。
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2. 眼の病
・眼底(がんてい)出血
網膜の動脈から出血し、視力障害を起こす。
3. 大動脈の病
・大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)
動脈硬化が進行して血管が弱くなり、大動脈にこぶ(瘤)ができる病。こぶが原因で血管の破裂を招く。
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4. 心臓の病
・狭心症(きょうしんしょう)
心臓内の筋肉に血液を送り込む冠動脈がせまくなり、一時的に血流が途絶える病。心筋梗塞(しんきんこうそく)のリスクが高まる。
・心筋梗塞(しんきんこうそく)
心臓内の冠動脈に血栓がつまり、心臓への血流が途絶える病。心筋が損傷する。
・心肥大(しんひだい)
高血圧が続き、つねに強い圧力で血液を送り出さねばならず、心臓が肥大する病。心不全(しんふぜん)のリスクが高まる。
・心不全(しんふぜん)
心肥大が進むことで、心臓の機能が低下する病。
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5. 腎臓の病
・腎硬化症(じんこうかしょう)
腎臓の血管の動脈硬化が進行し、腎臓の働きに障害をもたらす病。腎不全(じんふぜん)のリスクが高まる。
・腎不全(じんふぜん)
腎硬化症が進行し、腎機能の働きが低下する病。悪化すると人工透析が必要になる。
6. 動脈(末梢/まっしょう)の病
・閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
末梢の動脈硬化が進み、血流が悪化する病。足の痛みやしびれ、間欠性跛行(かんけつせいはこう)などを起こす。
知っておきたい病気のシグナル
動脈硬化が引き起こす病のうち、心臓と脳の病には自覚症状があります。次の症状がある場合は注意が必要です。
心臓の病気の自覚症状
・のどがつまるような感覚、食べ物が飲み込みづらい
・動悸(どうき)、息切れ、吐き気
・めまい
・足のむくみ
・左腕や左肩、背中の痛み など
脳の病気の自覚症状
・頭痛(普段とは異なる痛み)
・食べ物が飲み込みづらい
・ものが二重に見える
・ろれつが回らない など
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動脈硬化を早期発見! 上下の血圧差にも注意
最高と最低の血圧の差が大きい=血管が受ける衝撃が大きいということ。血圧値と合わせて注意しましょう。
正常
血圧差が30~50mmHg
動脈硬化の疑いあり
血圧差が 60mmHg
(血圧差51~59mmHgは動脈硬化予備軍です)
(抜粋)
TJ MOOK『決定版! 内臓脂肪を落とす名医のワザ』
監修:栗原 毅
編集・執筆/株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子
編集・執筆協力/常井宏平
本文イラスト/仲西 太、桜井葉子
撮影/中川晋弥
イラスト・写真協力/Shutterstock、photolibrary
WEB編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『決定版! 内臓脂肪を落とす名医のワザ』)
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