自律神経のバランスを保つには、「空気を読まない」強さが重要だと、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生は言います。自律神経を乱さないため、日常生活で心がけるべき3つのポイントをうかがいました。
≪目次≫
●予定を入れない日を設けてのんびり過ごす
●電話やメールは自分のペースで
●苦手な人とは極力付き合わない
●「空気を読まない」強さのポイント
●このコンテンツの監修者は……
予定を入れない日を設けてのんびり過ごす
現代社会では、多くの人がスケジュールに追われて急ぎがち。しかし、「やらなければならない予定がある」と考えると、それだけで交感神経の働きが活発になってしまいます。
本来、夜になったら副交感神経の働きを上げて身体を休ませなければいけません。しかし、忙しい日々が続くと交感神経の興奮状態が続き、眠れない、胃腸の働きが悪い、集中力がなくなるなど、自律神経がさらに乱れやすくなります。そうなると、ちょっとしたことで腹が立ったり、仕事がはかどらないなどしてコンディションが崩れてしまいます。
こうした悪循環から脱したいのであれば、副交感神経の働きが活発になる工夫を心がけましょう。たとえば、予定がぎっしり詰まっている人は、何も予定を入れない日を作るだけで副交感神経が十分に働くようになります。忙しい人は「そんな時間作れない」と思うかもしれませんが、やってみると案外問題ないもの。どんなに忙しい人でも、優先順位をつけて振り分けると1日ぐらいの余裕は生まれます。しかも、この習慣を身につけると、急ぎの仕事はさっさと済ませるようになるなど、仕事の生産性も高まっていきます。
ただし、1日余裕ができたからといって遊んでしまうと何の意味もありません。朝から晩まで予定を入れず、のんびり過ごして乱れた自律神経の働きを整え、心と身体をリラックスさせましょう。
なかには、予定を入れない日を作るのに罪悪感を抱く人もいるかもしれません。しかし、予定に振り回されたくないのであれば、「空気を読まない強さ」もときには必要なのです。
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電話やメールは自分のペースで
仕事中に届くメールや、不意にかかってくる電話は、そのたびに仕事が中断されるのでペースの妨げになります。電話やメールの応対は一見何でもないことのようですが、文面や言葉遣いなど、意外と神経を使うもの。自律神経も乱れ、元に戻るまでに時間がかかってしまいます。
そこで、何があっても電話に出ない時間やメールチェックをしない時間などを設けてみましょう。
自分のペースを保つことでイライラが少なくなり、ストレスも減っていくはずです。なかには、「電話やメールにはすぐに応対しないと」と思う人もいるかもしれませんが、ここでも必要なのは「空気を読まない強さ」。自分が自信を持てるポジションを得たり、集中できる環境を作るのが、とても大事です。
また、これといった計画もなく、同じような毎日が続くとモチベーションが下がっていくので、目標を作って計画を立てたほうがよいでしょう。目標に向かって準備をする過程でモチベーションが上がるので、自律神経にもよい影響を与えます。
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苦手な人とは極力付き合わない
「良薬は口に苦し」ということわざがありますが、結局のところ、嫌なものは嫌でしかありません。たとえば、苦手な人との付き合い方に悩む人について、自律神経のバランスという観点から考えると、「苦手な人とは付き合わない」というのが最良の付き合い方です。そうはいっても、上司や同僚など接触が避けられない人もいます。そういった場合は必要最低限の付き合いに留め、距離を置くことが大事です。
とはいえ、不機嫌な表情をしているとイライラが余計に募り、副交感神経がうまく働かずリラックスできません。これは自律神経の乱れにもなるので、自然とリラックスするためにも、口角を上げて笑顔を心がけたいもの。副交感神経の働きがよくなり、「イライラしにくい身体」になれるでしょう。
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「空気を読まない」強さのポイント
1. 何も予定を入れない日を作り、のんびり過ごす
2. 電話やメール応対をしない「集中タイム」を作る
3. 苦手な人とはなるべく付き合わない
4. 口角を上げて笑顔を作ることを心がける
5. 目標を作ったうえで計画を立てる
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このコンテンツの監修者は……
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
【Profile】
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。各種研究のなかで自律神経バランスの重要性に着目し、日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト。多くのトップアスリートや芸能人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。著書に『一流の人をつくる 整える習慣』(KADOKAWA)、『自律神経を整える「1日30秒」トレーニング』(イースト・プレス)、『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)などがある。
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(抜粋)
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監修/小林弘幸
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撮影/木村和敬(ブロウアップ)
編集協力/オフィス三銃士
執筆/酒井 均、常井宏平、二布祐果
WEB編集/FASHION BOX
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