春の訪れ、あたらしい私
ドラマ「監察医 朝顔」がいよいよクライマックスを迎える上野樹里さん。身も心も軽くなるような爽やかな着こなしに、やさしい春を感じて。インタビューではドラマのことやプライベートなことまで、たくさんお話ししてくれました。
【上野樹里】心が曇りがちなときだからこそ、明るく過ごす姿を見せたい
「せっかくなら、『朝顔』とは違ったイメージの服が着たいな」と、みずからこの日のコーディネートを考えてくれた上野樹里さん。
「Tシャツにショートパンツを合わせたコーディネートは、メンズライクな中にも赤の靴下とヒールで女性らしさを出したのがポイントです。グレーのコートは、リンネルの読者ならみんな気に入ってくれそう! おしゃれだけど、自分らしくいられる心地よさも感じられます」
一方、ドラマ「監察医 朝顔」では、ブルーや白、ストライプのシャツといったきれいめのアイテムが、上野さん演じる朝顔の定番。
「私も同じ服がほしいな、と思ってお店に行ったら、そこにいたお客さんに『私も買いました!』と言ってもらったことも(笑)。ドラマでは、とうもろこしを収穫するときは黄色っぽい服を着たり、夫の桑原くんが帰ってきたときはかわいいワンピースの部屋着にもこもこの靴下をはいていたり……と遊び心を出しているので、衣装にも注目してもらえたらうれしいです」
2クールにわたって放送されてきたドラマも、まもなくクライマックスへ。
「東北へ行っていたお父さんが帰ってきたり、おじいちゃんの病気が進行したり。大事な人とのお別れが近づいていく中でも、朝顔は明るく元気に暮らそうとしていて。誰にでも起こりうる未来の出来事を、朝顔がどうやって受け入れて、乗り越えていくのか……。私自身も作品を通して学んでいきたいです」
長期の撮影だっただけに、「毎日の撮影に体が慣れてしまった」と、すっかり作品が生活の一部に。
「朝顔という役は、演じる上でストレスがないんですよね。今までの作品では、演じる以上は何かしなきゃいけないと思っていたけど、朝顔はありのままというか、自分との境目がよくわからない。それはお父さん役の時任三郎さん、夫役の風間俊介くん、研究室の山口智子さんをはじめとした、あのメンバーがいてくれたからこそ。みんなの力で朝顔の空気感が作られてきたんだなと実感しています」
無事に撮影が終わったら、次の作品に向けたヘアスタイルやファッションを模索するつもりという上野さん。さらに今年は、新たなイメージが湧いているそう。
「私が書いた歌詞に、夫(トライセラトップスの和田唱さん)にメロディを付けてもらって歌いたいなって。本当は自分で作曲できたらいいけど、音楽としてよいものを作るには、プロである夫にお願いしたほうがよさそうなので。夫も“全然やるよ~”と言ってくれています(笑)」
歌詞を書こうと思ったのは、「日常の景色を形にして残したい」と考えたのがきっかけ。
「あの頃の自分はこんなことを感じてたんだ、こういう価値観だったんだ……と記録しておきたい。それを誰かに届けて一緒に楽しめたら幸せですよね」
人を楽しませるためには、自分の心と体を健やかに保つことも重要。上野さん自身は、どんなセルフケアをしているのでしょうか。
「体にいい素材を選ぶこと。質のいいお水を飲んだり、オイルにこだわってドレッシングを手作りしたり。口に入れるものだけでなく、着るものも肌に塗るものも、見た目だけでなく中身で選ぶことで安心できます。それと、夫がかけた音楽を真空管アンプで聴く時間も私にとっての癒やし。朝顔のオンエアも今のところはオンタイムで夫婦一緒に見ています(笑)。そういう時間があるからこそ、充実した気持ちで日々を過ごせるんです」
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上野樹里さん出演ドラマ「監察医 朝顔」
上野さん演じる法医学者の万木朝顔が、遺体の謎を解き明かし、遺族の心を救っていくヒューマンドラマ。前作に続き、震災で母を失った悲しみを少しずつ乗り越え、家族との絆を深めてきた朝顔。クライマックスでは、父・万木平のことや祖父の病気という辛い出来事を抱えながらも、明るく前を向いて暮らそうとする朝顔たちの姿が描かれます。フジテレビ系・毎週月曜日21時〜
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PROFILE/上野樹里(うえの・じゅり)
1986年生まれ、兵庫県出身。2003年、映画デビュー。2004年公開の初主演映画『スウィングガールズ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降も「のだめカンタービレ」「ラスト・フレンズ」、大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」など多くの話題作に出演。ラジオ番組「Juri’s Favorite Note」(JFN PARK)ではパーソナリティーを務める。近年の出演作にドラマ「グッド・ドクター」「テセウスの船」など。自作の絵やギターの弾き語り、日常をアップしたインスタグラムも人気。
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photograph:Emiko Tennichi
styling:Junko Okamoto
hair & make-up:Izumi Seike
text:Hanae Kudo
(リンネル 2021年4月号)
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