油にもカラダによい油と悪い油があります。栄養専門精神科医の奥平智之先生によると、よい油には、うつ状態の予防や治療の補助的な役割があるといいます。よい油と悪い油を知って、日常の食事でも気をつけていきましょう。
魚油やえごま油などのオメガ3を
気をつけたい油は、サラダ油などに多く含まれるオメガ6と、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸、揚げ物の多くに使われているキャノーラ油や加工食品の多くに使われているパーム油です。我が家では使っていないから大丈夫、と安心するのは禁物です。オメガ6は外食や総菜、市販のドレッシングなどに、市販のお菓子やパン、揚げ物などにはトランス脂肪酸を含んだマーガリンやショートニングが使われている物も多く、知らないうちにカラダに入っています。
トランス脂肪酸は代謝されにくく、体内で細胞膜を硬くし、虚血性心疾患などを発症するリスクにもつながります。キャノーラ油やパーム油も健康への害が懸念される事例の報告があります。
炎症の予防や改善のためには青魚の脂やアマニ油、えごま油などに含まれるオメガ3の油がおすすめです。2週間摂り続けると、細胞レベルで健康になります。また、すぐにエネルギー源になる中鎖脂肪酸のココナッツオイル、オレオカンタールを含むオメガ9のオリーブオイルにも、抗炎症、抗酸化作用があります。
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よい油と悪い油を知ろう
油にはカラダによい油と不調の原因になる油があります。調理に使う油だけでなく、市販の食品に何が使われているかも要チェック!
<◎の油>
オメガ3
・魚油(EPA・DHA)
低温圧搾抽出された(※1)
・えごま油
・アマニ油
・サチャインチオイル
<〇の油>
オメガ9
低温圧搾抽出された
・オリーブオイル
・国産米油
・国産菜種油
飽和脂肪酸
・バター
・ラード
・ココナッツオイル
<△の油>
オメガ6
・サラダ油
・コーン油
・大豆油(※2)
・市販のドレッシング
<×の油>
トランス脂肪酸
・マーガリン
・ショートニング
・コーヒーフレッシュ
・市販のお菓子やパン
・市販の揚げ物
・インスタント食品
キャノーラ油(※2)
・市販の揚げ物
・マーガリン
・ショートニング
・市販のドレッシング
パーム油(※2)
・マーガリン
・ショートニング
・スナック菓子
・インスタント食品
(※1)種類に加え、抽出・保存方法が重要。低温圧搾抽出で、遮光瓶に入った物を選び、冷暗所で保管しよう
(※2)「植物油脂」の表示は、キャノーラ油、パーム油、大豆油であることが多いので注意
One Point
オメガ3の油は光と熱に弱く酸化しやすい。加熱調理には使わないように!
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教えてくれたのは……
栄養専門精神科医・漢方医・認知症専門医
奥平智之(おくだいら・ともゆき)先生
【Profile】
日本栄養精神医学研究会 会長/医療法人山口病院 副院長(埼玉県川越市)。「メンタルヘルスは食事から」をモットーに『栄養精神医学』を取り入れた臨床を行う。鉄欠乏の女性を「鉄欠乏女子(テケジョ)」、栄養の問題に起因するメンタル不調を「栄養型うつ」と命名し、栄養の大切さを啓蒙している。特別支援学校校医、産業医、埼玉若手漢方医会会長、日本うつ病学会評議員・双極性障害委員会フェロー、食事栄養療法倶楽部代表。HPはコチラから。
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(抜粋)
書籍『「栄養型うつ」は食事で防ぐ! 奥平式うつよけ簡単レシピ』
著者:奥平智之
イラスト:植本 勇
構成・編集:小西眞由美、西垣一葉(春燈社)
WEB編集:FASHION BOX
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