自分との向き合い方が上手な人たちは、どんな考えグセを持っているのでしょうか。漫画家のわたなべぽんさん、美容ライターの長田杏奈さんに、今ならではのイライラや、普段から実践しているイライラケアを伺いました。
≪目次≫
漫画家 わたなべぽんさん
“考えすぎ”の思考に気づいて離れること
普段から在宅で仕事をしている分、家事は夫よりも多く負担していたのですが、夫がリモートワークになったことで、不公平感を覚えることがありました。
お昼に食べたいものが合わないなど、ささいなことでイラッとしたり、自粛中の買い出しでマスクをしていない人を見てモヤモヤしたり……余裕がなくなっていたかも。
そんなときは、ぐるぐる考えすぎるクセを一度断ち切ること。夫に対しては思っていることを伝えて、変えられないことは「考えても仕方ない」と割り切るようにしました。
心にお守りになる言葉を
以前、落ち込んでいるときに見た『マザーウォーター』という映画。その中の「今日も機嫌よくやんなさいよ」というセリフにハッとしました。困難な状態でふてくされるか、機嫌よくやるかは自分次第。どうせやるなら機嫌よくやろうと思えました。
それ以来、モヤモヤするときには、「今日も機嫌よくいこう!」とつぶやいて、気持ちを切り替えています。
大切な人には素直な気持ちを伝える
夫に対して、以前は「察してよ」という気持ちでふてくされた行動をとっていました。でも、それでは余計に険悪なムードになるだけ。だから言葉を選びながら「できればこうしてほしい」と、自分の気持ちを伝えるようにしました。
そうやって話し合うことで、夫の行動の意味がわかって納得できることもあったりして、話すだけで解決できることが増えました。
他人ではなく自分を変える
「過去と他人は変えられない、未来と自分は変えられる」という言葉を、人と接するときは意識します。人それぞれ培ってきた考え方も、この先に望んでいる着地点も違う。それを尊重して、穏やかに話を聞くようにしています。
強い言葉や態度で人をコントロールしようとする人が苦手なので、自分がそうならないようにという自戒を込めて気をつけています。
≪コレを手放すことでイライラ減少!≫
【 損・得・特別 という感情 】
「損をしたくない」「少しでも得したい」「特別扱いされたい」という気持ちを手放すこと。
隣のレジよりも早く清算されたいとか、飲食店で常連さんと親しげな店員を見ると自分がないがしろにされている気がしてモヤモヤするなどは、すべてこの考えグセのせい。
「時間はたっぷりある」「自分にも常連のお店はあるからお互い様」など、考え方を変えてイライラは減りました。
わたなべぽんさん Profile
暮らしの気づきや心の中を掘り下げたエッセイマンガを描く。『さらに、やめてみた。~自分のままに生きられるようになる、暮らし方考え方』(幻冬舎)など、「やめてみた。」シリーズは累計30万部を超える。
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イライラ解消のために心がけたい4つのこと|精神科医がすすめる“考えグセ”とは?
美容ライター 長田杏奈さん
イライラの種があっても「まあいいか」で長居しない
普段のようにカフェで原稿を書くなどの気分転換ができなくて、環境がマンネリ化した外出自粛期間中。5人家族なので、食料を無断で食べられたりとささいなことでイラッとするときもありました。
そんなときは「まあいいや」と、あまりイライラに長居しないこと。普段からイライラがあるときは、いったん原因から遠ざかって、冷静になってから分析するようにしています。
また、普段から穏やかに過ごすためには、どんな自分の感情も無視せず、受け止めてあげることが大切だと思います。
距離感を調節する
周囲の人の言動にイライラしてしまいそうなときは、距離感を調整して対応。性善説に立って、「悪い人じゃないけど、今は状態が悪いんだな」とか、「(人として)1年生なんだな」と考えることで、なるべく憎しみを持たないように心がけています。
好きなことをしてイライラから遠ざかる
イライラしてしまいそうなときは、まずは大きく深呼吸。いったん心を落ち着けたら、飾ってある花を見たり、庭に出て花の手入れをしたり、苗のカタログを広げたり……と好きなことをすると、気分が変わりリフレッシュできます。忙しくても、一度好きなものに触れる時間を緊急で作るとよいかもしれません。
≪女性ホルモンに関するイライラ対策≫
ざくろ酢で気分すっきり
漢方ハーブでPMSに備える
月経前は、不安になったり、かなしくなったりすることがあるので、プラントロジーのINNER PEACEという漢方ハーブをお守りのような気持ちで飲んでいます。また、ホルモンバランスが整うことを期待して、普段からざくろ酢や体をあたためる紅茶を飲むことが習慣に。
\感情を記録できるアプリを活用/
毎日の天気や気圧の変動と一緒に、日々の感情を記録できるアプリ「Awarefy」を活用しています。今の気持ちが整理できて、月経による感情の変化もわかるように。
長田杏奈さん Profile
女性誌を中心に、美容やインタビュー記事を執筆。生花を使った花冠やアクセサリーなどを作る活動も。著書に『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)。
精神科医が教える <イライラ対処法> 自分のイライラ傾向と考えグセを知ろう心と体を“セルフトリートメント”! 素敵な人の上手な手の抜き方
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illustration_Yuko Saeki
text_Ema Tanaka
(リンネル 2020年10月号)
web edit_FASHION BOX, Ayaki Ando[vivace]